キリストへの時間

働くことの意味を問う

放送日
2025年11月23日(日)
お話し
山下 正雄(ラジオ牧師)

山下 正雄(ラジオ牧師)

メッセージ:働くことの意味を問う

【高知放送】

【南海放送】

 おはようございます。あなたの心の健康を応援する山下正雄です。

 朝、通勤電車に乗ったり、家でパソコンの電源を入れたりするとき、「なんのために働いているんだろう」と、ふと立ち止まる瞬間はありませんか。もちろん、生活のため、家族のため、社会のため…大切な理由はたくさんあります。でも、時には、その働きが心をすり減らし、疲れ果ててしまう人もいます。長時間労働、重い責任、職場の人間関係。ニュースやSNSを見れば、働き方の悩みは尽きることがありません。

 私たちは、働くことで喜びや達成感を得る一方で、どうしてこんなにも苦しい思いをするのでしょう。働くことは、私たち人間が本来持っている、何かを創造し、誰かの役に立つ喜びを感じるための大切な活動です。しかし、同時に、時にそれが大きな重荷になるのも、また人間らしい現実なのかもしれません。

 今日は、働くことに対する少し違った視点をご紹介したいと思います。

 たとえば、「何をするにも、人に対してではなく、…心から行いなさい」(コロサイの信徒への手紙3章23節)という言葉があります。これは、仕事の成果や評価、上司の機嫌のためだけに働くのではなく、もっと深い部分に目を向けることを教えてくれます。同じ事務作業でも、「誰かのために役立てたい」と考えれば、その疲れの質が変わることがあります。人に評価されなくても、誠実さや使命感を持って働くことで、その仕事に新しい価値が生まれます。

 また、働きに疲れたとき、大切なのは、自分を責めすぎないことです。頑張りを美徳とする風潮があるかもしれませんが、心と体を休めることは、決して罪ではありません。むしろ立ち止まって、休む勇気を持つことが、再び前に進む力になります。「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。」(マタイ11:28)という、誰かを安らぎへと誘う温かい言葉もあります。無理に頑張り続けるのではなく、休むことを自分に許してあげてください。

 では、具体的にどうすればいいのでしょうか。まず、自分の働きを振り返る時間を少しだけ持つことです。週に一度、コーヒーでも飲みながら、「この仕事の目的ってなんだろう」と、自分なりの言葉で考えてみてください。それが家族のため、顧客のため、誰かの笑顔のためだと再認識するだけでも、仕事に対する向き合い方が変わります。

 次に、意識的に「何もしない時間」を設けることです。仕事から離れ、完全に心と体を休める日を大切にしてください。趣味に没頭したり、散歩したり、ぼんやり過ごすだけでも構いません。

 そして最後に、感謝の気持ちを伝えることです。職場では、「助かったよ」「ありがとう」といった小さな感謝の交換が、職場の雰囲気を変えていきます。そして、もしよかったら、心を静めて、自分の働きをじっくり見つめてみてください。きっと、これまで見えなかった、仕事の小さな意味や光が見えてくるはずです。

 働くことは、私たちに、喜びと同時に試練も与えます。もし今、働くことに疲れている方がいれば、どうか一人で抱え込まず、誰かに話してみてください。もし、身近に話せる人がいない、あるいは、これまでとは違う視点が欲しいと感じるなら、教会や牧師に相談してみるのも一つの方法です。

 教会は、人生の重荷を分かち合う場所として、あなたの話に耳を傾けることを大切にしている場所です。そして、あなたの働きが誰かのためになっているという、かけがえのない意味に気づいてほしいと願っています。あなたの毎日が、少しでも豊かでありますように。

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※ホームページでは音楽著作権の関係上、一部をカットして放送しています。

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