リジョイス聖書日課

コヘレト5章 人生の短い日々の幸福

放送日
2025年10月14日(火)
お話し
牧野信成(長野まきば教会牧師)

10月14日(火) コヘレト5章

神に与えられた短い人生の日々に、飲み食いし、太陽の下で労苦した結果のすべてに満足することこそ、幸福で良いことだ。
日本聖書協会『聖書 新共同訳』コヘレトの言葉5章17節

 ここでは、初めに言葉によるつまずきが述べられます。大言壮語や饒舌は神の言葉の邪魔をし、御旨を裏切る結果をもたらします。そうならないように、主イエスは山上の説教で弟子たちに「一切誓いを立ててはならない」とお命じになりました(マタ5章34節)。

 そして、賢者は労働の尊さを語ります。「働く者の眠りは快い、満腹していても、飢えていても。金持ちは食べ飽きていて眠れない」(11節)。世の中に不正がはびこり、企業が労働者から搾取して利益をひたすら貯め込むことの空しさを、賢者は見抜いています。苦労して働いた結果は神の賜物であり、それを皆で分かち合って短い人生の日々を楽しむことは、神が人に許しておられる幸福です。

 王に与えられた領域では、その地位も富も財産も、感謝して喜ぶことのできる賜物であったとしても、それを賢く管理する知恵が欠けていれば空しく不幸な結果を国にもたらすことでしょう。箴言では、「主を畏れることは知恵の初め」と教えています(1章7節)。与えられた地位や立場の中でそれぞれの分を果たして労苦し、その結果を感謝して喜ぶことは、幸福で良いことです。だれもがそうした幸せな日々を送ることができるように祈り、働きかけることも、私たち教会の務めではないでしょうか。

 【祈り】

 日々生かされることの喜びをすべての人にお与えください。