キリストへの時間

魂の休息

放送日
2025年5月4日(日)
お話し
唐見敏徳(忠海教会牧師)

唐見敏徳(忠海教会牧師)

メッセージ:魂の休息

【高知放送】

【南海放送】

 おはようございます。今月の「キリストへの時間」を担当します、忠海教会の唐見です。
 
 ちょうど春の大型連休、ゴールデンウィークの最中です。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。カレンダー通りの休みの方、先月の祝日から連続して11連休という方、あるいは、ゴールデンウィークなんて自分にはまったく関係ないという方、さまざまだと思います。
 
 ゴールデンウィークという言葉、調べてみますと、1950年代の初めから使われるようになった和製英語なのだそうです。まだ太平洋戦争の記憶が色濃く残っている時代、国民の祝日が続くこの時期に、映画の大ヒット作が生まれたことがきっかけで、生まれました。

 当時、映画は、国民的な娯楽のひとつでした。年末年始やお盆の休み以外での大きな興行収入を期待して、映画会社のプロモーションの一環として始まったわけです。「休む」ということとビジネスが、深く結びついているのだなあと、考えさせられます。
 
 さて、「休む」ということに関して、聖書の中に、次のような言葉があります。「安息日を心に留め、これを聖別せよ。六日の間働いて、何であれあなたの仕事をし、七日目は、あなたの神、主の安息日であるから、いかなる仕事もしてはならない。あなたも、息子も、娘も、男女の奴隷も、家畜も、あなたの町の門の中に寄留する人々も同様である。六日の間に主は天と地と海とそこにあるすべてのものを造り、七日目に休まれたから、主は安息日を祝福して聖別されたのである。」(出エジプト20:8-11)
 
 これは、聖書に記されている大切な十の言葉、「十戒」の四番目にあたるもので、「安息日」に関するきまりです。このきまりの背景には、聖書の最初のページに記されている記事、「天地創造」の物語があります。神がこの世界を六日間で造られ、七日目に休まれた(創世記2:1-3参照)ように、人もまた、六日の間働いて、七日目に休みなさい、と命じられています。そして、それは本人だけでなく、家族や友人、知人を含め、関係する人すべてに対して適用される、と語っています。
 
 ここで注目したいのは、「休む」ということと「働く」ということが、明確に区別されていることです。いかなる仕事もしてはならない、とあります。やむを得ない場合や慈善活動は別ですが、基本的にすべての仕事から離れなさい、と命じられています。休むときにはしっかりと休む、ということですね。

 しかし、休むことに関して、単に週日の仕事から離れるだけでは不十分であることも教えています。仕事から離れることによって、体の疲れが取れたり、精神的なストレスが和らいだりするでしょう。しかし、それによって、心の深奥、魂に安らぎを得る事はできません。
 
 先ほど触れた天地創造の記事では、人は神のかたちに似せて造られたことが書かれています(創世記1:27参照)。そして、神によって造られた人は、究極的には、その神によってしか癒されない存在でもあります。真の意味で休むためには、仕事から離れるだけでなく、神に近づくことが必要だ、と聖書は教えています。
 
 そして、幸いなことに、わたしたちを造られた神は、その安らぎをわたしたちに与えようと招いてくださるお方です。「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。」(マタイ11:28)と書いてある通りです。

 キリスト教では、主イエス・キリストの復活以降、日曜日を安息日としています。「キリストへの時間」が放送される日、リスナーの皆さんの町にある教会でも、礼拝が行われています。あなたを造られた神は、あなたの魂を癒し、真の安らぎを与えようと、教会の礼拝へと招いておられます。

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