小堀尚美(花小金井教会牧信徒説教者)
メッセージ:一族郎党
おはようございます。日本キリスト改革派花小金井教会の小堀尚美です。
「一」の付く熟語シリーズ二日目、今日は、「一族郎党」です。これは、「血のつながりのある者と、その従者や家来」(三省堂・新明解四事熟語辞典)を意味しています。
旧約聖書は、「初めに、神は天地を創造された」(創世記1:1)で始まりますが、新約聖書は、「アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図」(マタイ1:1)で始まります。私が初めて聖書を開いた時、このイエス・キリストの系図に挫折感を覚えて、静かに聖書を閉じた思い出があります。
ポールやマイケルならまだしも、耳慣れないイエス・キリストの一族の名前が、カタカナで半ページ以上も書かれているのです。無味乾燥で、ちんぷんかんぷんで、やはり、聖書は私が読むべきものではないのかもしれないと、がっかりしました。あの時、この系図が書かれた目的を、すぐに教えてくれる人がいたら良かったなあと思うので、今日は、短くお伝えしたいと思います。
マタイは、系図の好きなユダヤ人に向けて、この書を書き始めたのです。イエスが空想や伝説の人物ではなくて、人類の歴史上に実在した人物であること、イエス・キリストによる救いは、青年イエスのひょんな思いつきや自論ではなくて、天地創造の神が、長い歴史を貫いて、私達人間の為に用意して下さった、壮大で確かな救いであることを、この系図は物語っています。
清廉潔白とは、とても言えない人類の歴史の只中に、イエスは約束の救い主として生まれ、私達と同じ、生身で生きて下さったのです。今日も、神様の恵みが豊かにありますように。