4月26日(土) 詩編82編
神よ、立ち上がり、地を裁いてください。
あなたはすべての民を嗣業とされるでしょう。日本聖書協会『聖書 新共同訳』詩編82編8節
詩編82編には、神に地の裁きを願う詩人の詩が記されています。
詩人は、神の会議の中で、神が神々を裁くというオリエントの神話的な光景を借りて、神のように君臨する当時の支配者たちを批判します(1節)。「いつまであなたたちは不正に裁き、神に逆らう者の味方をするのか。弱者や孤児のために裁きを行い、苦しむ人、乏しい人の正しさを認めよ」(2、3節)と。本来、公正な裁きを行い、不当に虐げられている社会的弱者を助けるために力を与えられている支配者たちが、自分の利益のために、不正に裁きを行い、神に逆らう者の味方をしていることを批判するのです。詩人は、そのように正義がないがしろにされ、悪がまかり通る歪んだ世界の中で、「神よ、立ち上がり、地を裁いてください」と、神の公正な裁きを祈り求めています。
神の裁きと聞くと、それは恐ろしいものというイメージで終わってしまうかもしれません。しかし、それは同時に、この世の不条理にあって苦しみを受けた人にとっては、救いであり、希望となります。私たちの主は、終わりの日に、公正な裁きを行い、すべての不義を滅ぼして、救いを与えてくださいます。苦しめる者には、苦しみをもって報い、苦しみを受けた者には、休息をもって報いてくださるのです(2テサ1章6、7節)。
【祈り】
神よ、あなたの裁きに希望を持って地上の生涯を歩ませてください。