列王記上は、ダビデの最晩年から描き始めます。そこには、あの誇り高く力強いダビデの姿はなく、弱くされた一人の老人となっていました。そのような彼を見くびって、息子アドニヤが王位を狙って反乱を起こします。ダビデのもとに団結していた重臣たちも、アドニヤ側につく者と王側につく者とに分断されます。それらはすべて、ダビデの力が衰えていたことの証しでした。しかし、反乱のことを耳にしたダビデは、奮起してすぐさま行動します。消えそうな灯火の彼に再び力を与えたのは、主に忠実であろうとするダビデの信仰でした(1章30節)。結果、反乱は未然に防がれ、無事、ソロモンが王位につきました。「『あなたの子孫が自分の歩む道に留意し…イスラエルの王座につく者が断たれることはない』という約束を守ってくださるであろう。」(列王上2:4)