創世記3-4章 堕落物語―罪と悲惨の世界の希望
カインがアベルを殺したので、神が彼に代わる子を授けられた…。
主の御名を呼び始めたのは、この時代のことである。(創世記4:25-26)
神と人間との“初め”の幸福を描いた創世記は、続く3章と4章で早くもそこから転落して行く人間の姿を描きます。
「必ず死ぬ」という神の警告を無視して人が禁断の木の実に手を伸ばしたのは、目が開けて“神のようになる”との誘惑の言葉の故でした。
しかし、目が開かれて彼らが見たのは、惨めな自分たちの姿と、輝きを失った園の有り様だけでした。確かに彼らの魂は死んだのです。
罪を犯した人間に神が問いかけても、彼らはただ自分の責任を逃れるばかり。神と他者と共に生きる喜びを失った人間の人生は、惨めで苦痛に満ちたものとなりました。
堕落した人間に働く罪の力が収まるどころか世代を越えていよいよ大きくなる様を、続く4章は描きます。
もはや罪を制御できない人間は、兄弟さえもねたみと憎悪から殺してしまいます。やがて、神から離れてさすらう者となった人間たちが築き始めた文明社会もまた、楽園とは似ても似つかぬ暴力社会でした。
それでも神は、人間をお見捨てにはなりません。あっという間に転落していった世界の中で、なお神の御名を呼ぶ礼拝者たちが存在し続けます。彼らこそ、残された希望です。
【祈り】 神様。きょうも罪と悲惨の世界を生きる私たちに、それでもあなたの御名を呼ぶ信仰を与えてください。
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