サウル王家に激震が走ります。司令官アブネルがダビデ側に寝返ったのです。王イシュ・ボシェトとの諍いが原因でした。アブネルはダビデを全イスラエルの新しい王に立てるべく動きます。ダビデに警戒する素振りは見えません。一つ、サウルの娘ミカルを連れて来ることを条件にアブネルを受け入れます。ミカルはダビデのかつての妻でもありました。若き時代の恋心を思い出したのか、サウルの娘を手元に置くことでイスラエルの王としての正統性を欲したのか。いずれにせよ、ダビデに好機が舞い込んできたことに違いありません。サウル王家とダビデ王家との戦いは長引いたが、ダビデはますます勢力を増し、サウルの家は次第に衰えていった。…「わたしは油を注がれた王であるとはいえ、今は無力である。あの者ども、ツェルヤの息子たちはわたしの手に余る。悪をなす者には主御自身がその悪に報いられるように。」(サムエル下3:1,39)