これまでダビデはサウルに命を狙われ続けていましたが、ついに立場の逆転が起こります。ダビデとその兵が隠れていた洞窟に、サウルが用を足すため無防備な状態で入ってきたのです。サウルを殺すには絶好の機会でした。実際ダビデの兵はそれを主の御心としてダビデに勧めました。しかしダビデはサウルの上着の端を切り取っただけでした。それはサウルが「主が油を注がれた方」であり、その方に手をかけることを主は許されないと考えたからです。そしてダビデは自分の手で復讐せず、主の裁きと報復にすべてをゆだねました。ダビデに言った。「お前はわたしより正しい。お前はわたしに善意をもって対し、わたしはお前に悪意をもって対した。お前はわたしに善意を尽くしていたことを今日示してくれた。主がわたしをお前の手に引き渡されたのに、お前はわたしを殺さなかった。(サムエル上24:18-19)