月刊誌リジョイス 聖書日課 2020年5月20日(水)

サムエル上21章 ダビデの偽りと主の憐れみ

  

ダビデは祭司アヒメレクに言った。「王はわたしに一つの事を命じて、『お前を遣わす目的、お前に命じる事を、だれにも気づかれるな』と言われたのです。従者たちには、ある場所で落ち合うよう言いつけてあります。」(サムエル上21:3)

 ダビデは自分の命を守るために嘘をつきました。祭司アヒメレクに助けを求める際、サウルから追われている身であることを隠し、自分はサウルから極秘任務を授かっていると偽ったのです。そうして本来は祭司しか食べてはならない「供えのパン」と、ダビデが打ち倒したゴリアトの剣を譲り受けました。

 また、ダビデはペリシテ人の町ガトの王アキシュのところに身を寄せようとしました。しかし、自分の身分がばれるとダビデは非常に恐れました。そして捕らえられると人びとの前で気が狂ったふりをしたのです。そうしてダビデは王の前から追放されました。

 ダビデは確かに祭司アヒメレクに対しても、ガトの王に対しても自らを偽りました。しかしそのこと自体が主によって咎められてはいません(マタ12章3、4節参照)。嘘をつくこと自体は良いことではないでしょう。しかしダビデが機知を働かせてついた嘘を主はゆるし、そのことさえ用いてダビデの命を守り、危険から救われたのです。そこに主の憐れみの深さと広さを見ることができます。

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