この主イエスの言葉の中に、死後の世界を垣間見ることができます。きょうのたとえ話に登場する「金持ち」と「貧しい人」は、死後、お互いの境遇が逆転します。「彼(貧しい人)は慰められ、お前(金持ち)はもだえ苦しむのだ」(25節)。それで、「金持ち」は、まだ生きている兄弟たちに「こんな苦しい場所に来ることのないように」警告して欲しいと願います(28節)。その願いに、神の代弁者アブラハムが答えます。「お前の兄弟たちにはモーセと預言者がいる。彼らに耳を傾けるがよい」と(29節)。食い下がって訴える「金持ち」にアブラハムは言葉を重ねました。「金持ちは言った。『いいえ、父アブラハムよ、もし、死んだ者の中からだれかが兄弟のところに行ってやれば、悔い改めるでしょう。』アブラハムは言った。『もし、モーセと預言者に耳を傾けないのなら、たとえ死者の中から生き返る者があっても、その言うことを聞き入れはしないだろう。』」(ルカ16:30-31)