洪水が始まりました。「この日、大いなる深淵の源がことごとく裂け、天の窓が開かれた」(11節)。天地創造の際に、光の創造にはじまる神の御手の業によって、「深淵=混沌の海」が制御されました。しかし、それが裂けて氾濫したのです。神が抑えていた手をのけてしまわれました。それは、怒りに我を忘れられた神の全面放棄ではなく、罪の極まった世界をもういちど造り直すという、創造のやり直しです。地上の悪に大なたをふるう決断をされたのです。それは、新しく生かし、希望をつなぐためです。地上で動いていた肉なるものはすべて、…ことごとく息絶えた。乾いた地のすべてのもののうち、その鼻に命の息と霊のあるものはことごとく死んだ。地の面にいた生き物はすべて、…ぬぐい去られ、ノアと、彼と共に箱舟にいたものだけが残った。(創世記7:21-23)