ペルシアの王キュロスの第一年のことである。主はかつてエレミヤの口によって約束されたことを成就するため、ペルシアの王キュロスの心を動かされた。キュロスは文書にも記して、国中に次のような布告を行き渡らせた。(エズラ1:1)
この文章の主語は、「キュロス王」ではなく「主」です。
圧倒的勢力を誇ったペルシアのキュロス大王に対して、紀元前539年、マルドゥクの祭司たちは、バビロンの門を開いて彼を迎え入れました。バビロニア帝国の終焉です。そしてキュロス王は、バビロニアの非情な政策を転換させ、捕囚の身であったユダヤ人に対しても帰還命令を下しました。この世界史的に重要な転換を、聖書は常に、「主」を主語として描きます。
はじめであり終わりである方が、生きて働いていてくださり、世界を創造し、歴史を支配し、神の民を導かれる。私たちはそう信じます。なぜなら、聖書がそのように教えてくれているからです。
民族が戦に負ければ、その民の神も死んだと考えられた時代です。「主は我らを見捨てられた」どころか、「もはや主はおられないのか」と、ユダヤの人びとは悩みぬきました。しかし主は、民の狭い視野をはるかに凌駕する仕方で、大きく世界を導かれました。この主が、今日も生きておられます。
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