イスラエルにおいて、王は神の代理的統治を担う器として期待されていました。それゆえ預言者たちは、神の正しい支配を地上に来たらせるような統治を、歴代の王に要求したのです。本詩でも、全く理想的な王の統治が祈り求められています。正しい裁き、平和、救い、諸国の服従、民らの賛美。これらの言葉は通常、神にのみ、ふさわしいものであり、地上のいかなる王も、完全にこれに見合う者はいません。王が助けを求めて叫ぶ乏しい人を
助けるものもない貧しい人を救いますように。
弱い人、乏しい人を憐れみ
乏しい人の命を救い
不法に虐げる者から彼らの命を贖いますように。
王の目に彼らの血が貴いものとされますように。(詩編72:12-14)