ダビデとヨナタンは親友でした。二人の友情の深さは、彼らが置かれている状況を考えると、到底生じ得ないものではないか、という気がします。ダビデは神によって選ばれ、新しく王にされようとしています。ダビデが王になれば、ヨナタンが王になる道は、閉ざされます。さらに、古代において王権の交代は、前の王家全体の没落と死をも意味します。にもかかわらず、ヨナタンはダビデを守り、ダビデはヨナタンを信頼します。このように二人を引き離そうとする緊張関係のなかにあっても、二人は良い関係を固く保ち続けました。何故でしょうか。ヨナタンは言った。「安らかに行ってくれ。わたしとあなたの間にも、わたしの子孫とあなたの子孫の間にも、主がとこしえにおられる、と主の御名によって誓い合ったのだから。」(サムエル上20:42)