ウエストミンスター小教理問答の学び 第42問

第42問 十戒の要約

問: 十戒の要約は、何ですか。

答: 十戒の要約は、心をつくし、精神をつくし、力をつくし、思いをつくして、主なる私たちの神を愛すること、また自分を愛するように私たちの隣人を愛することです。


道徳律法の心髄である二つの愛

(1) 道徳律法を要約的に含む十戒(問41)の要約が愛である(問42)とは、愛こそ道徳の心髄だということです。私たちの行動・生活が愛に基づくことを神は求めておられます。

(2) その愛には二つの面があります。神への愛と人への愛です。この二つを引き離すことはできません。
A. 神への正しい愛は、人への愛を生むはずです。神ご自身が人を愛しておられますし、また人が互いに愛することを望んでおられるからです。

B. 人への愛は神を愛することなしに全うされることはありません。人のすばらしさは神のかたちに創造されたことに由来します(問10)。それは神を認めない人にも認められるほどに鮮明ですが、正しい仕方で人を尊び、愛するためには、神を愛することが必要です。
(3) ただし、二つの愛は、自動的に一方が他方を生み出すのではありません。自覚的に神と人をそれぞれに愛する努力が必要です。

極みまでの愛

(1) 神は極みまでの愛を求められます。
A. 神への愛は全存在を注ぎ尽くす極みまで求められています。御子を下さるほどの愛で私たちを愛される神の当然の要求です。

B. 人への愛は「自分を愛するように」という極みまで求められています。十戒の各戒めはこの水準で守ることが求められているのです。
(2) このような水準に達することは私たちには不可能です。
A. 祈りと礼拝の時間さえ、全存在を注ぎ尽くす仕方で過ごすことのできない私たちです。求められる神への愛の達成は不可能です。

B. 人への愛の不足も明白です。悲しむ者と共に悲しみ、喜ぶ者と共に喜ぶどころではなく、私たちは人の成功を妬む思いや人の落度を攻撃する罪と戦い続け、冷たい心と戦い続ける者たちです。
(3) 示された愛の道徳は人に次の二つを促します。
A. 罪を認めて救いを求めること。

B. 繰り返し罪の赦しを受けながら、赦された感謝をもって、愛の実践に努め続けること。
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