ウエストミンスター小教理問答の学び 第6問

第6問 三位一体の神

問: その神には、いくつの位格がありますか。

答: 神には、三つの位格があります。御父と、御子と、聖霊です。この三位は、実体が同じで力と栄光において等しい、ひとりの神です。


三位一体の教え

 聖書は唯一の神が三位一体のお方であると教えています。三位一体とは次のような神様の本質を言います。

(1) 神には父なる神、子なる神、聖霊なる神の三つの位格(人格)があります。父なる神とは、世界を造り、保ち、治める方として特に働かれる神様のことです。子なる神とは、救い主イエス・キリストのことです。聖霊なる神とは、人の心に信仰を起こして、キリストと結びつける方として特に働かれる神様のことです。

(2) この三つのお方には、優劣がありません。三つのお方は皆、力と栄光において等しい神です。

(3) 父なる神が、ある時はイエス・キリストになり、ある時は聖霊となるのではありません。あくまでも、区別された三つの人格です。

(4) しかも、三つ別々の神様ではなく三つで一人の神様なのです。

この教えを受け入れられるために

 三位一体の教えは人間の目には矛盾に見えます。しかし、三位一体の神を信じないキリスト教は異端(本質的に間違ったキリスト教)です。三位一体の教えを受け入れることができるために、次のような事柄を考えたらよいと思います。

(1) 神は本来、測り知ることのできない方です。三位一体は特に神の深奥の本質に関わることです。人間の本質でさえ人間にとって神秘です。まして、神の深奥の本質についての完全な理解・納得は、人には不可能であることを承知しているべきです。

(2) 聖書は、父・御子・聖霊が神であること、区別された人格であること、神は唯一であることを語っています。三位一体の教えはこれらをまとめただけです。人の考え出した神なら、人に矛盾と見えるこのようなことはないでしょう。三位一体の教えは、聖書の神が人の考案によらず、神ご自身の啓示によって知らされた方であることを雄弁に語るものです。

(3) 3つでありながら1つであるものはこの世にないわけではありません。例えば、美しい和音は三つの音が十分にその個性を発揮しながら、1つです。また、深く愛し合う夫婦や家族は、2人、3人でありながら一体のように感じます。
 この世にさえ、複数でも1つに感じる人格的結びつきがあるとすれば、不思議な神のご本質が3つでありながら1つであることを、あり得ない不合理なことと思わなくても良いのです。

三位一体の恵み

(1) キリストの恵みが分かります。神の代理ではなく、神ご自身である方が私たちを救うためにこの世に生まれ、十字架に掛かって下さったのです。三位一体を否定すれば、十字架に現された神様の大きな愛は分からなくなります。

(2) 聖霊の恵みが分かります。神ご自身が、私たちの心に働きかけ、信仰を起こし、聖書を分からせ、私達の心に住んで下さる(聖霊のお働き)のです。

(3) 祈りと礼拝で1人の方に心を集中できます。私たちは、父と御子と聖霊に祈り礼拝しながら、心は3つに分かれることはなく、統一されてただ1人の神様に向かわせられるのです。

関連記事

目次

※月刊誌「ふくいんのなみ」で
第1問 人の主な目的 問: 
第2問 唯一の基準である聖書
第3問 聖書の内容 問: 聖
第4問 神とはどんな方か 問
第5問 ただひとりの神 問:
第6問 三位一体の神 問: 
第7問 聖定 問: 神の聖定
第8問 聖定の実行 問: 神
第9問 世界の創造 問: 創
第10問 人間の創造 問: 
第11問 神の摂理の御業 問
第12問 命の契約 問: 神
第13問 アダムの堕落 問:
第14〜15問 罪の定義とア
第16問 全人類の堕落 問:
第17問 堕落の結果 問: 
第18問 人類の罪 問: 人
第19問 人類の悲惨 問: 
第20問 恵みの契約 問: 
第21問 贖い主キリスト 問
第22問 キリストの受肉 問
第23問 キリストの職務 問
第24問 キリストの預言者職
第25問 キリストの祭司職
第26問 キリストの王職 問
第27問 キリストのへり下り
第28問 キリストの高挙 問
第29問 救いの適用 問: 
第30問 キリストとの結合
第31問 有効召命 問: 有
第32問 この世での祝福 問
第33問 義認の恵み 問: 
第34問 子とされること 問
第35問 聖化 問: 聖化と
第36問 神の愛の確信と祝福
第37問 死の時の祝福 問:
第38問 復活の時の祝福 問
第39問 神が求めておられる
第40問 道徳律法 問: 神
第41問 道徳律法の要約 問
第42問 十戒の要約 問: 
第43〜44問 十戒の序言
第45〜48問 第一戒 問4
第49〜52問 第二戒 問4
第53〜56問 第三戒 問5
第57〜62問 第四戒 問5
第63〜66問 第五戒 問6
第67〜69問 第六戒 問6
第70〜72問 第七戒 問7
第73〜75問 第八戒 問7
第76〜78問 第九戒 問7
第79〜81問 第十戒 問7
第82問 律法を守れない人間
第83問 罪の重さの相違 問
第84問 罪の深刻さ=神の怒
第85問 救いの恵みを受ける
第86問 イエス・キリストへ
第87問 命に至る悔い改め
第88問 恵みの外的手段 問
第89問 御言葉の恵み 問:
第90問 御言葉の読み方、聞
第91問 礼典の効力 問: 
第92問 礼典の定義 問: 
第93問 新約の礼典 問: 
第94問 洗礼とは 問: 洗
第95問 受洗者 問: 洗礼
第96問 聖餐式とは 問: 
第97問 陪餐者の義務 問:
第98問 祈りとは 問: 祈
第99問 祈りの基準 問: 
第100問 主の祈りの序言
第101問 主の祈り、第一の
第102問 主の祈り、第二の
第103問 主の祈り、第三の
第104問 主の祈り、第四の
第105問 主の祈り、第五の
第106問 主の祈り、第六の
第107問 主の祈りの結び