ウエストミンスター小教理問答の学び 第97問

第97問 陪餐者の義務

問: 主の晩餐をふさわしく受けるには、何が求められていますか。

答: 主の晩餐にふさわしく参加したい人には、次の事が求められています。すなわち、主の御体をわきまえる自分の知識・キリストを糧とする自分の信仰・自分の悔い改めと愛と新しい服従について、自己吟味することです。それは、ふさわしくないままで来て、その飲み食いによって自分にさばきを招くといけないからです。


 聖餐式は、私たちが救いの恵みを受けるための外的な手段の一つです(問85,88,93)。問97は、ふさわしい聖餐の受け方についてです。

聖餐式での自己吟味の意義

 聖餐を受ける者にふさわしい態度を、小教理はただ一つだけ上げています。それは、「自己吟味をすること」です。自己吟味すべき理由は次の点にあります。

(1) 神のさばきを受けないため(1コリント11:28-29)。主の聖なる体と血を受けるにふさわしく、慎みと畏れと感謝を整えます。

(2) 自分の罪に気づき、キリストの十字架の恵みを求め、味わい、赦しの恵みに促されて、新しくキリストに従う決心をするため。

(3) 繰り返される聖餐を惰性的に受けないため。

自己吟味の内容

 小教理の教える自己吟味の項目は三つです。

(1) 主の御体をわきまえる知識: 聖餐を通して主イエスの十字架の御体が差し出されている事を自覚しているか、自己吟味します。

(2) キリストを糧とする自分の信仰: 聖餐を通して、主を受け入れ、魂を養われ、生きる力を受けたいと願っているか、自己吟味します。

(3) 悔い改めと愛と新しい服従: 十字架の恵みを受ける者にふさわしく、悔い改め(問87)に生きているか、神と人(兄弟姉妹)を愛しているか、新しい心で神に従おうとしているか、自己吟味します。

(4) 求められているのは自己吟味であって、これらについての完全さではありません。罪と弱さを痛感する人こそ、赦され、強められるため、聖餐を受けるべきです。なぜなら、「弱く疑い深いキリスト者たちの救いのためにも、約束がなされ、この礼典が命じられている」からです(大教理問答117)

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目次

※月刊誌「ふくいんのなみ」で
第1問 人の主な目的 問: 
第2問 唯一の基準である聖書
第3問 聖書の内容 問: 聖
第4問 神とはどんな方か 問
第5問 ただひとりの神 問:
第6問 三位一体の神 問: 
第7問 聖定 問: 神の聖定
第8問 聖定の実行 問: 神
第9問 世界の創造 問: 創
第10問 人間の創造 問: 
第11問 神の摂理の御業 問
第12問 命の契約 問: 神
第13問 アダムの堕落 問:
第14〜15問 罪の定義とア
第16問 全人類の堕落 問:
第17問 堕落の結果 問: 
第18問 人類の罪 問: 人
第19問 人類の悲惨 問: 
第20問 恵みの契約 問: 
第21問 贖い主キリスト 問
第22問 キリストの受肉 問
第23問 キリストの職務 問
第24問 キリストの預言者職
第25問 キリストの祭司職
第26問 キリストの王職 問
第27問 キリストのへり下り
第28問 キリストの高挙 問
第29問 救いの適用 問: 
第30問 キリストとの結合
第31問 有効召命 問: 有
第32問 この世での祝福 問
第33問 義認の恵み 問: 
第34問 子とされること 問
第35問 聖化 問: 聖化と
第36問 神の愛の確信と祝福
第37問 死の時の祝福 問:
第38問 復活の時の祝福 問
第39問 神が求めておられる
第40問 道徳律法 問: 神
第41問 道徳律法の要約 問
第42問 十戒の要約 問: 
第43〜44問 十戒の序言
第45〜48問 第一戒 問4
第49〜52問 第二戒 問4
第53〜56問 第三戒 問5
第57〜62問 第四戒 問5
第63〜66問 第五戒 問6
第67〜69問 第六戒 問6
第70〜72問 第七戒 問7
第73〜75問 第八戒 問7
第76〜78問 第九戒 問7
第79〜81問 第十戒 問7
第82問 律法を守れない人間
第83問 罪の重さの相違 問
第84問 罪の深刻さ=神の怒
第85問 救いの恵みを受ける
第86問 イエス・キリストへ
第87問 命に至る悔い改め
第88問 恵みの外的手段 問
第89問 御言葉の恵み 問:
第90問 御言葉の読み方、聞
第91問 礼典の効力 問: 
第92問 礼典の定義 問: 
第93問 新約の礼典 問: 
第94問 洗礼とは 問: 洗
第95問 受洗者 問: 洗礼
第96問 聖餐式とは 問: 
第97問 陪餐者の義務 問:
第98問 祈りとは 問: 祈
第99問 祈りの基準 問: 
第100問 主の祈りの序言
第101問 主の祈り、第一の
第102問 主の祈り、第二の
第103問 主の祈り、第三の
第104問 主の祈り、第四の
第105問 主の祈り、第五の
第106問 主の祈り、第六の
第107問 主の祈りの結び