第８９問 御言葉の恵み
問： 御言葉は、どのようにして救いに有効とされますか。
答： 神の御霊が、御言葉を読むこと、特に説教を、罪人に罪を自覚させて回心させるため、また信仰によってきよめと慰めのうちに救いに至るまで建て上げるために、有効な手段とされます。
罪のための神からの罰を免れるために、私たちは、イエス・キリストを信じ、命に至る悔い改めをする必要がありました（問85）。そのために私たち皆が用いるべき恵みの手段は、御言葉・礼典・祈りでした（問88）。問89〜90は、その内の御言葉（聖書）についてです。
御言葉と聖霊
（1） 私たちの信仰も悔い改めも、自力によるものではなく、神の恵みです（問88,89）。聖霊は、私たちの心を御言葉に聴従する心に変えて下さり、また御言葉を通して語り掛けて下さって、信仰と悔い改めを起こして下さいます。ですから、信仰と悔い改めに日々生きたいと願うなら、聖霊の助けを祈り求めつつ、聖書を日々読むべきです。
（2） しかし、信仰と悔い改めに特に有益なのは説教です。聖書を取り次ぐ牧師の説教を用いて、聖霊は確かに御言葉により語り掛けて下さいます。注意深さと神の語り掛けを聞く慎みを持って説教を聞くべきです。
御言葉の働き
御言葉（説教）を用いて神様は、私たちの生活に、次のような事柄を起こして下さいます。
（1） 信仰の出発。次の二点です。
Ａ． 罪の自覚： 御言葉（説教）は、私たちが回心の必要な罪人であることを自覚させます。
Ｂ． 回心： 御言葉（説教）は、キリストを信じて新しく生きる決心をもたらします。
（2） 信仰の維持・成長。次の二点です。
Ａ． きよめ： 御言葉（説教）は、神の求める正しい生活を指し示して私たちを繰り返し悔い改めに導き、神と人を愛する志を繰り返し新しくして、私たちの生活をきよめます。
Ｂ． 慰め： 試練の時、神様は私たちを御言葉により慰めて下さいます。また、自分の弱さや罪深さに気づいて悩む時も、神様は御言葉によって愛と赦しを伝えて下さって、私たちを慰めて下さいます。