ウエストミンスター小教理問答の学び 第40問

第40問 道徳律法

問: 神は、人の服従の基準として、何を最初に啓示されましたか。

答: 神が人の服従のために最初に啓示された基準は、道徳律法でした。


 人の義務は神が啓示された御心に服従することでした(問39)。そして、神が最初に啓示されたのは道徳律法でした。問40〜81では、十戒の学びを中心に道徳律法を学びます。

最初に示された服従の規準

(1) 道徳律法とは、何が善であり何が悪であるかを指し示し、善を行うように求める神の命令のことです。それは、聖書に記される前に人間の良心に刻まれました。

(2) どの民族でもすべての人の心には、善と悪とを区別する感覚と、善を行う事が望ましいことだ、という感覚(良心)があります。

(3)これは、神様が人間の心に植えつけられた感覚です。神様は、人を「神のかたち」に造られました(問10)。「神のかたち」である人間は、動物と違って善と悪とを区別し、善を行おうとする心を持っているのです。道徳を知っていることは人間の素晴らしさの一つです。

道徳律法を学ぶ目的

(1) 人は、憎むことを厭いつつ人を憎み、妬むことを恥じつつ人を妬みます。道徳を知りながら、行えないのです。堕落以来、人は善を欲しながら悪を行う者になりました。

(2) ですから、道徳命令だけでは、罪の意識に責められるだけで救いはありません。

(3) 道徳律法は、「最初に」啓示された神の意志であって、これで最後ではありません。神の最後の意志はキリストにより示されました。それにより神は、私たちが十字架による罪の赦しを信じ、新しい心で神に従う決心をする(悔い改める)ように求めておられます(問85以下でそれを学びます)。

(4) そこで、これから学ぶ道徳的義務には、二つの意義があります。

A. 道徳律法に照らして、自分の罪を認め、罪からの救いを神に求めるため(キリストへの信仰に促されるため)。

B. キリストを信じ、罪赦された者として、新しい心で神に従う道筋(神が喜んで下さる生活)を具体的に知るため。

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目次

※月刊誌「ふくいんのなみ」で
第1問 人の主な目的 問: 
第2問 唯一の基準である聖書
第3問 聖書の内容 問: 聖
第4問 神とはどんな方か 問
第5問 ただひとりの神 問:
第6問 三位一体の神 問: 
第7問 聖定 問: 神の聖定
第8問 聖定の実行 問: 神
第9問 世界の創造 問: 創
第10問 人間の創造 問: 
第11問 神の摂理の御業 問
第12問 命の契約 問: 神
第13問 アダムの堕落 問:
第14〜15問 罪の定義とア
第16問 全人類の堕落 問:
第17問 堕落の結果 問: 
第18問 人類の罪 問: 人
第19問 人類の悲惨 問: 
第20問 恵みの契約 問: 
第21問 贖い主キリスト 問
第22問 キリストの受肉 問
第23問 キリストの職務 問
第24問 キリストの預言者職
第25問 キリストの祭司職
第26問 キリストの王職 問
第27問 キリストのへり下り
第28問 キリストの高挙 問
第29問 救いの適用 問: 
第30問 キリストとの結合
第31問 有効召命 問: 有
第32問 この世での祝福 問
第33問 義認の恵み 問: 
第34問 子とされること 問
第35問 聖化 問: 聖化と
第36問 神の愛の確信と祝福
第37問 死の時の祝福 問:
第38問 復活の時の祝福 問
第39問 神が求めておられる
第40問 道徳律法 問: 神
第41問 道徳律法の要約 問
第42問 十戒の要約 問: 
第43〜44問 十戒の序言
第45〜48問 第一戒 問4
第49〜52問 第二戒 問4
第53〜56問 第三戒 問5
第57〜62問 第四戒 問5
第63〜66問 第五戒 問6
第67〜69問 第六戒 問6
第70〜72問 第七戒 問7
第73〜75問 第八戒 問7
第76〜78問 第九戒 問7
第79〜81問 第十戒 問7
第82問 律法を守れない人間
第83問 罪の重さの相違 問
第84問 罪の深刻さ=神の怒
第85問 救いの恵みを受ける
第86問 イエス・キリストへ
第87問 命に至る悔い改め
第88問 恵みの外的手段 問
第89問 御言葉の恵み 問:
第90問 御言葉の読み方、聞
第91問 礼典の効力 問: 
第92問 礼典の定義 問: 
第93問 新約の礼典 問: 
第94問 洗礼とは 問: 洗
第95問 受洗者 問: 洗礼
第96問 聖餐式とは 問: 
第97問 陪餐者の義務 問:
第98問 祈りとは 問: 祈
第99問 祈りの基準 問: 
第100問 主の祈りの序言
第101問 主の祈り、第一の
第102問 主の祈り、第二の
第103問 主の祈り、第三の
第104問 主の祈り、第四の
第105問 主の祈り、第五の
第106問 主の祈り、第六の
第107問 主の祈りの結び