ウエストミンスター小教理問答の学び 第34問

第34問 子とされること

問: 子とされることとは何ですか。

答: 子とされることも、神の一方的恵みによる決定です。それによって私たちは、神の子らの数に入れられ、神の子らのあらゆる特権に権利を持つものになるのです。


子とされる恵み

(1) 人間は、本来は神の子ではありません。

A. 神が人を生んだのではありません。神と人間の関係は、創造者と被造物の関係です。全宇宙を造られた偉大な神と被造物に過ぎない人間の相違は大きいのです。

B. 人間は神に背き、汚い心を持ち恥ずべき行いをする罪人です。神に裁かれ罰せられるべき身で、神を父として仰ぐ権利はありません。

(2) しかし神様は一方的恵みにより、御子キリストを信じ御子に結びついた者を、キリストを長兄とする神の子として下さいます。

(3) ですから、本来的には神の子ではない私たちが、「神の子の数に入れられる」事自体、大きな恵みなのです。

神の子の特権

 神の子であることの特権は次の通りです。

(1) 神の愛を確信できること。夫婦愛・友情・恋愛などさまざまな愛には、それぞれに独自の素晴らしさがありますが、愛の安定性の点では、親の愛が一番です。どの愛も途絶える可能性がありますが、親の愛は途絶える可能性の一番低いものです。神は完全な父です。子とされる時、私たちは父なる神の愛に全幅の信頼を置くことができます。
 苦しみも逆境も、神が私たちを見放された結果ではなく、子である私たちを愛する父なる神の訓練と変わります。

(2) 神の国を嗣ぐ者とされること。子は親の財産をわがものとします。神の子とされた者は神の国を受ける権利を持ちます。今、救いの祝福を受け、世の終わりに天国を受け継ぐ者とされます。

神の決定

 義認と同じく、子とされることも「神の決定」です。反抗しても、生活が崩れても、親は子をわが子として受け止めます。完全な父である神はなおさらです。一度子とした者を神は永遠に子として取り扱って下さり、背く時にも待ち続けて下さるのです

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目次

※月刊誌「ふくいんのなみ」で
第1問 人の主な目的 問: 
第2問 唯一の基準である聖書
第3問 聖書の内容 問: 聖
第4問 神とはどんな方か 問
第5問 ただひとりの神 問:
第6問 三位一体の神 問: 
第7問 聖定 問: 神の聖定
第8問 聖定の実行 問: 神
第9問 世界の創造 問: 創
第10問 人間の創造 問: 
第11問 神の摂理の御業 問
第12問 命の契約 問: 神
第13問 アダムの堕落 問:
第14〜15問 罪の定義とア
第16問 全人類の堕落 問:
第17問 堕落の結果 問: 
第18問 人類の罪 問: 人
第19問 人類の悲惨 問: 
第20問 恵みの契約 問: 
第21問 贖い主キリスト 問
第22問 キリストの受肉 問
第23問 キリストの職務 問
第24問 キリストの預言者職
第25問 キリストの祭司職
第26問 キリストの王職 問
第27問 キリストのへり下り
第28問 キリストの高挙 問
第29問 救いの適用 問: 
第30問 キリストとの結合
第31問 有効召命 問: 有
第32問 この世での祝福 問
第33問 義認の恵み 問: 
第34問 子とされること 問
第35問 聖化 問: 聖化と
第36問 神の愛の確信と祝福
第37問 死の時の祝福 問:
第38問 復活の時の祝福 問
第39問 神が求めておられる
第40問 道徳律法 問: 神
第41問 道徳律法の要約 問
第42問 十戒の要約 問: 
第43〜44問 十戒の序言
第45〜48問 第一戒 問4
第49〜52問 第二戒 問4
第53〜56問 第三戒 問5
第57〜62問 第四戒 問5
第63〜66問 第五戒 問6
第67〜69問 第六戒 問6
第70〜72問 第七戒 問7
第73〜75問 第八戒 問7
第76〜78問 第九戒 問7
第79〜81問 第十戒 問7
第82問 律法を守れない人間
第83問 罪の重さの相違 問
第84問 罪の深刻さ=神の怒
第85問 救いの恵みを受ける
第86問 イエス・キリストへ
第87問 命に至る悔い改め
第88問 恵みの外的手段 問
第89問 御言葉の恵み 問:
第90問 御言葉の読み方、聞
第91問 礼典の効力 問: 
第92問 礼典の定義 問: 
第93問 新約の礼典 問: 
第94問 洗礼とは 問: 洗
第95問 受洗者 問: 洗礼
第96問 聖餐式とは 問: 
第97問 陪餐者の義務 問:
第98問 祈りとは 問: 祈
第99問 祈りの基準 問: 
第100問 主の祈りの序言
第101問 主の祈り、第一の
第102問 主の祈り、第二の
第103問 主の祈り、第三の
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第106問 主の祈り、第六の
第107問 主の祈りの結び