ウエストミンスター小教理問答の学び 第32問

第32問 この世での祝福

問: 有効召命されている者は、この世で、どんな祝福を分け与えられますか。

答: 有効召命されている者は、この世で、義認、子とされること、聖化、この世でそれらに伴い、あるいはそれらから流れ出るいくつもの祝福を分け与えられます。


 問32〜38は、有効召命されている者(=信じた者)に与えられる祝福です。この世(問32〜36)、死の時(問37)、復活の日(問38)と祝福は続きます。

信じたものの祝福

 主イエスを信じる時に、私たちのこの世の人生は祝福に満たされ、死の時も神の祝福の中で過ごし、やがて、世の終わりには救いの完成を味わい、完全な喜びに入れられます。

この世での祝福

 問32は、この世での祝福の総論です。この世での祝福は四つにまとめられています。

(1) 義認(問33): 罪を赦され、神様から義人と認めて頂く事。

(2) 子とする事(問34): 神の子として神の愛を受け、天国の相続者とされること。

(3) 聖化(問35): 人間性をきよめられ、神の喜ばれる人間へと人間形成されていく事。

(4) 以上に伴う祝福(問36): 上記三つの祝福を味わう時、私たちの人生は様々な点で輝きを帯びます。平安・喜び・進歩などです。

真に必要な祝福

 義認・子とする事・聖化は、人間の真の必要を満たす祝福です。それらの代用に別のものを求める所に、人間の苦悩が生まれます。
 人は、コンプレックスや罪悪感に悩みつつ、よい存在・貴い存在として肯定されたいという切実な願いに苦しんでいます。真に必要なのは義認であり神の子とされることなのです。
 人は自分の人間性を向上させたいという切実な願いを持ちながら、真の実現の道を知りません。必要なのは聖化の恵みなのです。

この世でも幸福なキリスト者

 キリスト者は、あの世での幸福のためにこの世の幸福を犠牲にする訳ではありません。この世でキリスト者は、人間として最高の上質の幸福を味わいます。その幸福が、死を越えて天国まで続き、天国で完成するのです。

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目次

※月刊誌「ふくいんのなみ」で
第1問 人の主な目的 問: 
第2問 唯一の基準である聖書
第3問 聖書の内容 問: 聖
第4問 神とはどんな方か 問
第5問 ただひとりの神 問:
第6問 三位一体の神 問: 
第7問 聖定 問: 神の聖定
第8問 聖定の実行 問: 神
第9問 世界の創造 問: 創
第10問 人間の創造 問: 
第11問 神の摂理の御業 問
第12問 命の契約 問: 神
第13問 アダムの堕落 問:
第14〜15問 罪の定義とア
第16問 全人類の堕落 問:
第17問 堕落の結果 問: 
第18問 人類の罪 問: 人
第19問 人類の悲惨 問: 
第20問 恵みの契約 問: 
第21問 贖い主キリスト 問
第22問 キリストの受肉 問
第23問 キリストの職務 問
第24問 キリストの預言者職
第25問 キリストの祭司職
第26問 キリストの王職 問
第27問 キリストのへり下り
第28問 キリストの高挙 問
第29問 救いの適用 問: 
第30問 キリストとの結合
第31問 有効召命 問: 有
第32問 この世での祝福 問
第33問 義認の恵み 問: 
第34問 子とされること 問
第35問 聖化 問: 聖化と
第36問 神の愛の確信と祝福
第37問 死の時の祝福 問:
第38問 復活の時の祝福 問
第39問 神が求めておられる
第40問 道徳律法 問: 神
第41問 道徳律法の要約 問
第42問 十戒の要約 問: 
第43〜44問 十戒の序言
第45〜48問 第一戒 問4
第49〜52問 第二戒 問4
第53〜56問 第三戒 問5
第57〜62問 第四戒 問5
第63〜66問 第五戒 問6
第67〜69問 第六戒 問6
第70〜72問 第七戒 問7
第73〜75問 第八戒 問7
第76〜78問 第九戒 問7
第79〜81問 第十戒 問7
第82問 律法を守れない人間
第83問 罪の重さの相違 問
第84問 罪の深刻さ=神の怒
第85問 救いの恵みを受ける
第86問 イエス・キリストへ
第87問 命に至る悔い改め
第88問 恵みの外的手段 問
第89問 御言葉の恵み 問:
第90問 御言葉の読み方、聞
第91問 礼典の効力 問: 
第92問 礼典の定義 問: 
第93問 新約の礼典 問: 
第94問 洗礼とは 問: 洗
第95問 受洗者 問: 洗礼
第96問 聖餐式とは 問: 
第97問 陪餐者の義務 問:
第98問 祈りとは 問: 祈
第99問 祈りの基準 問: 
第100問 主の祈りの序言
第101問 主の祈り、第一の
第102問 主の祈り、第二の
第103問 主の祈り、第三の
第104問 主の祈り、第四の
第105問 主の祈り、第五の
第106問 主の祈り、第六の
第107問 主の祈りの結び