ウエストミンスター小教理問答の学び 第31問

第31問 有効召命

問: 有効召命とは、何ですか。

答: 有効召命とは、神の御霊の御業です。これによって御霊は、私たちに自分の罪と悲惨とを自覚させ・私たちの心をキリストを知る知識に明るくし・私たちの意志を新しくするという仕方で、福音において一方的に提供されるイエス・キリストを私たちが受け入れるように説得し、受け入れさせてくださるのです。


聖霊の御業である有効召命

 イエス・キリストが勝ち取られた救いは、聖霊が私たちの内に信仰を起こし、私たちをキリストと結びつけて下さることにより、私たちに届きます(問29〜30)。信仰を起こすこの聖霊の御業を有効召命(効果的な招き=必ず信じる結果をもたらす信仰への招き)と言います。問31はその内容についてです。

有効召命の内容

 有効召命された人に次のことが起こります。

(1) 罪と悲惨の自覚: 自分の弱さや罪に気づき、自分が救いを必要とする悲惨な存在だ、と自覚させられます。

(2) キリストを知る知識: 聖書の意味や、キリストの言葉の意味は、優れた知能の人なら信仰なしに知ることができるかも知れません。しかし、キリストが「私の」救い主であり、私を深く愛し、守り、救って下さる方だ、という真の知識(開眼)は、聖霊によるほか得ることができません。

(3) 意志を新しくされる: 主イエスを救い主として信じ、頼り、従って行くためには、自覚的・意識的な決心が必要です。聖霊はそのような決心を与えて下さいます。

聖霊の働きを認める

 以上の三つの事が心に起きているなら、その人の心には聖霊が働いておられます。
 聖霊のこの働きは、神秘として感じ取ることができるとは限りません。本質的には信仰をもって見抜くべきお働きです。聖霊は「感じる」前にまず「信じる」べき方です。信仰者は、神秘的現象や奇跡ばかりではなく、野の花・空の鳥の姿に神の神秘の御手を認めます。同じように、私たちの心の中にこれら三つが起こるなら、神秘を感じなくても、そこに聖霊の神秘の御手を信じ認めるべきなのです。

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目次

※月刊誌「ふくいんのなみ」で
第1問 人の主な目的 問: 
第2問 唯一の基準である聖書
第3問 聖書の内容 問: 聖
第4問 神とはどんな方か 問
第5問 ただひとりの神 問:
第6問 三位一体の神 問: 
第7問 聖定 問: 神の聖定
第8問 聖定の実行 問: 神
第9問 世界の創造 問: 創
第10問 人間の創造 問: 
第11問 神の摂理の御業 問
第12問 命の契約 問: 神
第13問 アダムの堕落 問:
第14〜15問 罪の定義とア
第16問 全人類の堕落 問:
第17問 堕落の結果 問: 
第18問 人類の罪 問: 人
第19問 人類の悲惨 問: 
第20問 恵みの契約 問: 
第21問 贖い主キリスト 問
第22問 キリストの受肉 問
第23問 キリストの職務 問
第24問 キリストの預言者職
第25問 キリストの祭司職
第26問 キリストの王職 問
第27問 キリストのへり下り
第28問 キリストの高挙 問
第29問 救いの適用 問: 
第30問 キリストとの結合
第31問 有効召命 問: 有
第32問 この世での祝福 問
第33問 義認の恵み 問: 
第34問 子とされること 問
第35問 聖化 問: 聖化と
第36問 神の愛の確信と祝福
第37問 死の時の祝福 問:
第38問 復活の時の祝福 問
第39問 神が求めておられる
第40問 道徳律法 問: 神
第41問 道徳律法の要約 問
第42問 十戒の要約 問: 
第43〜44問 十戒の序言
第45〜48問 第一戒 問4
第49〜52問 第二戒 問4
第53〜56問 第三戒 問5
第57〜62問 第四戒 問5
第63〜66問 第五戒 問6
第67〜69問 第六戒 問6
第70〜72問 第七戒 問7
第73〜75問 第八戒 問7
第76〜78問 第九戒 問7
第79〜81問 第十戒 問7
第82問 律法を守れない人間
第83問 罪の重さの相違 問
第84問 罪の深刻さ=神の怒
第85問 救いの恵みを受ける
第86問 イエス・キリストへ
第87問 命に至る悔い改め
第88問 恵みの外的手段 問
第89問 御言葉の恵み 問:
第90問 御言葉の読み方、聞
第91問 礼典の効力 問: 
第92問 礼典の定義 問: 
第93問 新約の礼典 問: 
第94問 洗礼とは 問: 洗
第95問 受洗者 問: 洗礼
第96問 聖餐式とは 問: 
第97問 陪餐者の義務 問:
第98問 祈りとは 問: 祈
第99問 祈りの基準 問: 
第100問 主の祈りの序言
第101問 主の祈り、第一の
第102問 主の祈り、第二の
第103問 主の祈り、第三の
第104問 主の祈り、第四の
第105問 主の祈り、第五の
第106問 主の祈り、第六の
第107問 主の祈りの結び