ウエストミンスター小教理問答の学び 第25問

第25問 キリストの祭司職

問: キリストは、どのようにして祭司職を果たされますか。

答: キリストが祭司職を果たされるのは、神の正義を満足させて私たちを神に和解させるために、御自身をいけにえとしてただ一度ささげられたこと、また私たちのためにとりなし続けてくださることにおいてです。


祭司である救い主の必要

(1) 人は罪人として神の怒りと呪いの元にあり、神との和解なしには滅びに至ります。また人は、愛の神との交わりなしには、人生の寂しさや空しさを克服できません。罪を償い和解をもたらし、神との交わりを回復してくれる人(祭司)が必要です。

(2) 旧約の祭司は、償いの犠牲を含む犠牲奉献と祈りとで、この職務を果たしました。

(3) しかし、動物犠牲は罪の償いを完全に果たす方が来られるまでの当座の間に合わせで、屠られる犠牲の動物には、人の罪を背負う力があるはずがありませんでした。

キリストの祭司職

(1) 大祭司キリストは、十字架の犠牲を捧げられました。それには次の意味がありました。

A. 神の正義の満足(罪の償い): 「満足」とは、気分のことではなく、罪の赦しにおいて神の正義が損なわれず、むしろ貫かれることです。
 犯罪者を無罪とする裁判官は正義を貫かない裁判官です。しかし神は、罪人の代表者として御子キリストを罰して、正義を貫きつつ(満足させつつ)、人を無罪とされました。

B. 神と人の和解: 和解には、両者の敵対関係の除去が必要です。罪人への神の怒りが解け(神の側の和解)、神に対する人の恐怖や嫌悪感が解ける時(人の側の和解)、神と人は愛の交わりを回復します。十字架は罪の償いにより、神の怒りを解くと同時に、その深い愛とゆるしで、人の側の神への恐怖や嫌悪感も取り除きました。
 この和解を主導されたのは神です。人は罪人として神の敵であった時に、十字架により「神との和解を受けた」のです(ロマ書5:10)。

(2) 地上生涯により人の弱さをご存じのキリストは、今は天で神の御前に私たちのために執り成すことで、祭司の役目を果たしておられます。神との和解は天におられるキリストのお働きにより、日々の現実となるのです。

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目次

※月刊誌「ふくいんのなみ」で
第1問 人の主な目的 問: 
第2問 唯一の基準である聖書
第3問 聖書の内容 問: 聖
第4問 神とはどんな方か 問
第5問 ただひとりの神 問:
第6問 三位一体の神 問: 
第7問 聖定 問: 神の聖定
第8問 聖定の実行 問: 神
第9問 世界の創造 問: 創
第10問 人間の創造 問: 
第11問 神の摂理の御業 問
第12問 命の契約 問: 神
第13問 アダムの堕落 問:
第14〜15問 罪の定義とア
第16問 全人類の堕落 問:
第17問 堕落の結果 問: 
第18問 人類の罪 問: 人
第19問 人類の悲惨 問: 
第20問 恵みの契約 問: 
第21問 贖い主キリスト 問
第22問 キリストの受肉 問
第23問 キリストの職務 問
第24問 キリストの預言者職
第25問 キリストの祭司職
第26問 キリストの王職 問
第27問 キリストのへり下り
第28問 キリストの高挙 問
第29問 救いの適用 問: 
第30問 キリストとの結合
第31問 有効召命 問: 有
第32問 この世での祝福 問
第33問 義認の恵み 問: 
第34問 子とされること 問
第35問 聖化 問: 聖化と
第36問 神の愛の確信と祝福
第37問 死の時の祝福 問:
第38問 復活の時の祝福 問
第39問 神が求めておられる
第40問 道徳律法 問: 神
第41問 道徳律法の要約 問
第42問 十戒の要約 問: 
第43〜44問 十戒の序言
第45〜48問 第一戒 問4
第49〜52問 第二戒 問4
第53〜56問 第三戒 問5
第57〜62問 第四戒 問5
第63〜66問 第五戒 問6
第67〜69問 第六戒 問6
第70〜72問 第七戒 問7
第73〜75問 第八戒 問7
第76〜78問 第九戒 問7
第79〜81問 第十戒 問7
第82問 律法を守れない人間
第83問 罪の重さの相違 問
第84問 罪の深刻さ=神の怒
第85問 救いの恵みを受ける
第86問 イエス・キリストへ
第87問 命に至る悔い改め
第88問 恵みの外的手段 問
第89問 御言葉の恵み 問:
第90問 御言葉の読み方、聞
第91問 礼典の効力 問: 
第92問 礼典の定義 問: 
第93問 新約の礼典 問: 
第94問 洗礼とは 問: 洗
第95問 受洗者 問: 洗礼
第96問 聖餐式とは 問: 
第97問 陪餐者の義務 問:
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第100問 主の祈りの序言
第101問 主の祈り、第一の
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