ウエストミンスター小教理問答の学び 第20問

第20問 恵みの契約

問: 神は全人類を、罪と悲惨の状態のうちに滅びるままにされましたか。

答: 神は、全くの御好意によって、永遠の昔から、ある人々を永遠の命に選んでおられたので、彼らと恵みの契約を結ばれました。それは、ひとりのあがない主によって、彼らを罪と悲惨の状態から救助して、救いの状態に入れるためです。


 救いの必要(問12〜20)に続くのは、救いについて(問20〜38)の教えです。

恵みの契約とは

(1) 契約とは、結婚の誓約のように、互いの義務を誓い合い、深い人格的結びつきを作り出すことです。

(2) 神が人と最初に結んだ契約は、「行いの契約」でした(問12)。

A. 人の義務: 神への完全な服従。

B. 神の義務(約束): 永遠の命の賦与。

C. 違反への刑罰: 死(滅び)。

(3) この契約に背いた人類に、神は新たに恵みの契約を用意して下さいました。

A. 人の義務: キリストへの信仰と服従。

B. 神の義務(約束): 滅びからの救い。

C. キリストの義務(使命): 人の代表として、行いの契約の義務を果たすこと。

a. 刑罰に服すること(十字架)。

b. 完全な服従(十字架に至る従順)。

永遠の昔からの選び

 恵みの契約で救われるのは、永遠の昔から選ばれた人々です(エフェソ1:4)。
 なぜ、ある人々だけを選ばれたのかは、突き詰めれば謎です。問7(聖定)で説明したように、神の計画と人間の自由の問題は人間の理解を越えています。
 このように大きな謎を含む教えを神が私たちに知らされたのは、この教理を知ることに、大きな益があるからです。

(1) 神の愛の測りがたい大きさを知らされ、神を賛美する思いを増し加えられます。

(2) 自分の救いの原因を神にのみ帰し、自分に帰さない謙遜に導かれます。

(3) 救いの根拠を、揺れ動くことない神の恵みの意志に置く平安が与えられます。

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目次

※月刊誌「ふくいんのなみ」で
第1問 人の主な目的 問: 
第2問 唯一の基準である聖書
第3問 聖書の内容 問: 聖
第4問 神とはどんな方か 問
第5問 ただひとりの神 問:
第6問 三位一体の神 問: 
第7問 聖定 問: 神の聖定
第8問 聖定の実行 問: 神
第9問 世界の創造 問: 創
第10問 人間の創造 問: 
第11問 神の摂理の御業 問
第12問 命の契約 問: 神
第13問 アダムの堕落 問:
第14〜15問 罪の定義とア
第16問 全人類の堕落 問:
第17問 堕落の結果 問: 
第18問 人類の罪 問: 人
第19問 人類の悲惨 問: 
第20問 恵みの契約 問: 
第21問 贖い主キリスト 問
第22問 キリストの受肉 問
第23問 キリストの職務 問
第24問 キリストの預言者職
第25問 キリストの祭司職
第26問 キリストの王職 問
第27問 キリストのへり下り
第28問 キリストの高挙 問
第29問 救いの適用 問: 
第30問 キリストとの結合
第31問 有効召命 問: 有
第32問 この世での祝福 問
第33問 義認の恵み 問: 
第34問 子とされること 問
第35問 聖化 問: 聖化と
第36問 神の愛の確信と祝福
第37問 死の時の祝福 問:
第38問 復活の時の祝福 問
第39問 神が求めておられる
第40問 道徳律法 問: 神
第41問 道徳律法の要約 問
第42問 十戒の要約 問: 
第43〜44問 十戒の序言
第45〜48問 第一戒 問4
第49〜52問 第二戒 問4
第53〜56問 第三戒 問5
第57〜62問 第四戒 問5
第63〜66問 第五戒 問6
第67〜69問 第六戒 問6
第70〜72問 第七戒 問7
第73〜75問 第八戒 問7
第76〜78問 第九戒 問7
第79〜81問 第十戒 問7
第82問 律法を守れない人間
第83問 罪の重さの相違 問
第84問 罪の深刻さ=神の怒
第85問 救いの恵みを受ける
第86問 イエス・キリストへ
第87問 命に至る悔い改め
第88問 恵みの外的手段 問
第89問 御言葉の恵み 問:
第90問 御言葉の読み方、聞
第91問 礼典の効力 問: 
第92問 礼典の定義 問: 
第93問 新約の礼典 問: 
第94問 洗礼とは 問: 洗
第95問 受洗者 問: 洗礼
第96問 聖餐式とは 問: 
第97問 陪餐者の義務 問:
第98問 祈りとは 問: 祈
第99問 祈りの基準 問: 
第100問 主の祈りの序言
第101問 主の祈り、第一の
第102問 主の祈り、第二の
第103問 主の祈り、第三の
第104問 主の祈り、第四の
第105問 主の祈り、第五の
第106問 主の祈り、第六の
第107問 主の祈りの結び