ウエストミンスター小教理問答の学び 第19問

第19問 人類の悲惨

問: 人が堕落した状態の悲惨とは、何ですか。

答: 全人類は堕落によって神との交わりを失いました。今は神の怒りとのろいの下にあり、そのため、この世でのあらゆる悲惨と死そのものと永遠の地獄の刑罰との責めを負わされています。


悲惨の諸側面

 人の悲惨には次の諸側面があります。

(1) 神との交わりの喪失: 人は完全な人格・完全な愛である神と交わることで、生きる喜びを味わう者に造られていました。堕落の結果、人はこの神との交わりを失い、完全な愛で愛される充実を失いました。人は自覚しませんが、生きる寂しさ・空しさはここに由来します。

(2) 神の怒りとのろいの下にあること: 幸福と思う人も、神の怒りとのろいを受けています。人は客観的に悲惨なのです。

(3) この世の悲惨: 病気・挫折・貧困など様々な悲惨です。この世の悲惨全体が人の堕落の結果なのです。

(4) 死: 人は動物と異なり、特別に死を恐れ、死について悩みます。人間の死は堕落に由来する悲惨の一つなのです。

(5) 永遠の地獄の刑罰: 正義の神は、犯された罪を処罰しないで済ます方ではありません。堕落により、人は永遠の地獄の刑罰に向かって進む者とされました。

悲惨からの救い

 主イエスの救いは、このような悲惨の諸側面すべてを解決するものです。

(1) 主イエスは十字架により私たちを神と和解させ、神との交わりを回復して下さいました。神に愛され神を愛し、祈り、礼拝できる者として下さいました。

(2) 主イエスは十字架で、神の怒りとのろいを身代わりに受けて下さいました。

(3) この世の悲惨はなおありますが、それは、愛の御父の訓練に変りました。

(4) 死は、とげを抜かれ(神の罰でなくなり)、永遠の命への門となりました。

(5) 主イエスを信じる者は地獄の刑罰を逃れ、永遠の命を与えられました。

関連記事

目次

※月刊誌「ふくいんのなみ」で
第1問 人の主な目的 問: 
第2問 唯一の基準である聖書
第3問 聖書の内容 問: 聖
第4問 神とはどんな方か 問
第5問 ただひとりの神 問:
第6問 三位一体の神 問: 
第7問 聖定 問: 神の聖定
第8問 聖定の実行 問: 神
第9問 世界の創造 問: 創
第10問 人間の創造 問: 
第11問 神の摂理の御業 問
第12問 命の契約 問: 神
第13問 アダムの堕落 問:
第14〜15問 罪の定義とア
第16問 全人類の堕落 問:
第17問 堕落の結果 問: 
第18問 人類の罪 問: 人
第19問 人類の悲惨 問: 
第20問 恵みの契約 問: 
第21問 贖い主キリスト 問
第22問 キリストの受肉 問
第23問 キリストの職務 問
第24問 キリストの預言者職
第25問 キリストの祭司職
第26問 キリストの王職 問
第27問 キリストのへり下り
第28問 キリストの高挙 問
第29問 救いの適用 問: 
第30問 キリストとの結合
第31問 有効召命 問: 有
第32問 この世での祝福 問
第33問 義認の恵み 問: 
第34問 子とされること 問
第35問 聖化 問: 聖化と
第36問 神の愛の確信と祝福
第37問 死の時の祝福 問:
第38問 復活の時の祝福 問
第39問 神が求めておられる
第40問 道徳律法 問: 神
第41問 道徳律法の要約 問
第42問 十戒の要約 問: 
第43〜44問 十戒の序言
第45〜48問 第一戒 問4
第49〜52問 第二戒 問4
第53〜56問 第三戒 問5
第57〜62問 第四戒 問5
第63〜66問 第五戒 問6
第67〜69問 第六戒 問6
第70〜72問 第七戒 問7
第73〜75問 第八戒 問7
第76〜78問 第九戒 問7
第79〜81問 第十戒 問7
第82問 律法を守れない人間
第83問 罪の重さの相違 問
第84問 罪の深刻さ=神の怒
第85問 救いの恵みを受ける
第86問 イエス・キリストへ
第87問 命に至る悔い改め
第88問 恵みの外的手段 問
第89問 御言葉の恵み 問:
第90問 御言葉の読み方、聞
第91問 礼典の効力 問: 
第92問 礼典の定義 問: 
第93問 新約の礼典 問: 
第94問 洗礼とは 問: 洗
第95問 受洗者 問: 洗礼
第96問 聖餐式とは 問: 
第97問 陪餐者の義務 問:
第98問 祈りとは 問: 祈
第99問 祈りの基準 問: 
第100問 主の祈りの序言
第101問 主の祈り、第一の
第102問 主の祈り、第二の
第103問 主の祈り、第三の
第104問 主の祈り、第四の
第105問 主の祈り、第五の
第106問 主の祈り、第六の
第107問 主の祈りの結び