ウエストミンスター小教理問答の学び 第18問

第18問 人類の罪

問: 人が堕落した状態の罪性は、どの点にありますか。

答: 人が堕落した状態の罪性は次の点にあります。すなわち、アダムの最初の罪責を負うていること、原義を失っていること、人の性質全体の腐敗つまりいわゆる原罪があること、、そこからあらゆる現行罪が生じていることです。


罪の諸側面

 私たちは救いが必要な罪人ですが、その罪には、次のような諸側面があります。

(1) アダムの罪責を負っていること: 最初の人アダムの罪以来、人類は神の敵の立場にいます。人はアダムの背きの責任を負うものの一員として生まれてくるのです。

(2) 原義を失っていること: 原義とは、神と交わり得る人間本来の資質(知識と義と聖において「神のかたち」であること=問10)のことです。堕落により人のこの素晴らしさが失われました。

A. 知識=今も人は知的存在ですが、その知識で、神と世界とを正しく悟り、人生の意味を知ることはできません。

B. 義=今も人は倫理的存在ですが、善を行う力も悪を避ける力もありません。

C. 聖=今も人は宗教的存在ですが、神ならぬものを拝む迷妄に陥っています。

(3) 原罪(人の性質の腐敗): 人は現実に罪を犯すことで、原罪を確証しています。

(4) 現行罪: 人は日々、思いと言葉と行いにより現実に罪を犯す者となりました。

罪からの救い

 この罪の諸側面を主は解決されます。

(1) キリストは人類の罪責を十字架で負い、人を罪責から解放してくださいました。

(2) イエス・キリストによって私たちは罪赦され、義なる者とされ、神と交わる資格のある人間とされました。

(3)救い主キリストは、私たちの人間性を回復し、「真の知識と義と聖とを備えた神にかたどって造られた新しい人」に変えてくださいます(コロサイ3:10、エフェソ4:24)。こうして罪の力に対し、生涯をかけた徐々の勝利が与えられます。

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目次

※月刊誌「ふくいんのなみ」で
第1問 人の主な目的 問: 
第2問 唯一の基準である聖書
第3問 聖書の内容 問: 聖
第4問 神とはどんな方か 問
第5問 ただひとりの神 問:
第6問 三位一体の神 問: 
第7問 聖定 問: 神の聖定
第8問 聖定の実行 問: 神
第9問 世界の創造 問: 創
第10問 人間の創造 問: 
第11問 神の摂理の御業 問
第12問 命の契約 問: 神
第13問 アダムの堕落 問:
第14〜15問 罪の定義とア
第16問 全人類の堕落 問:
第17問 堕落の結果 問: 
第18問 人類の罪 問: 人
第19問 人類の悲惨 問: 
第20問 恵みの契約 問: 
第21問 贖い主キリスト 問
第22問 キリストの受肉 問
第23問 キリストの職務 問
第24問 キリストの預言者職
第25問 キリストの祭司職
第26問 キリストの王職 問
第27問 キリストのへり下り
第28問 キリストの高挙 問
第29問 救いの適用 問: 
第30問 キリストとの結合
第31問 有効召命 問: 有
第32問 この世での祝福 問
第33問 義認の恵み 問: 
第34問 子とされること 問
第35問 聖化 問: 聖化と
第36問 神の愛の確信と祝福
第37問 死の時の祝福 問:
第38問 復活の時の祝福 問
第39問 神が求めておられる
第40問 道徳律法 問: 神
第41問 道徳律法の要約 問
第42問 十戒の要約 問: 
第43〜44問 十戒の序言
第45〜48問 第一戒 問4
第49〜52問 第二戒 問4
第53〜56問 第三戒 問5
第57〜62問 第四戒 問5
第63〜66問 第五戒 問6
第67〜69問 第六戒 問6
第70〜72問 第七戒 問7
第73〜75問 第八戒 問7
第76〜78問 第九戒 問7
第79〜81問 第十戒 問7
第82問 律法を守れない人間
第83問 罪の重さの相違 問
第84問 罪の深刻さ=神の怒
第85問 救いの恵みを受ける
第86問 イエス・キリストへ
第87問 命に至る悔い改め
第88問 恵みの外的手段 問
第89問 御言葉の恵み 問:
第90問 御言葉の読み方、聞
第91問 礼典の効力 問: 
第92問 礼典の定義 問: 
第93問 新約の礼典 問: 
第94問 洗礼とは 問: 洗
第95問 受洗者 問: 洗礼
第96問 聖餐式とは 問: 
第97問 陪餐者の義務 問:
第98問 祈りとは 問: 祈
第99問 祈りの基準 問: 
第100問 主の祈りの序言
第101問 主の祈り、第一の
第102問 主の祈り、第二の
第103問 主の祈り、第三の
第104問 主の祈り、第四の
第105問 主の祈り、第五の
第106問 主の祈り、第六の
第107問 主の祈りの結び