月刊誌リジョイス 聖書日課 2022年4月10日(日)

詩編79編 迫害の中の図々しい祈り

  

御名のために、わたしたちを救い出し
わたしたちの罪をお赦しください。
どうして異国の民に言わせてよいでしょうか
「彼らの神はどこにいる」と。(詩編79:9-10)

 この詩は、神殿崩壊記念日に朗読されると言われています。遺体が動物の餌食にされ、最低限の葬りさえ望めません。恐るべき迫害、民族的苦難です。あのホロコーストの惨劇が脳裏をよぎります。

 しかし、詩人はここで「何故?」とは問いません。「わたしたちの昔の悪」(8節)が原因であると悟っているからです。ですから「わたしたちの罪をお赦しください」と祈ります(9節)。何よりも神の主権、全能、摂理を信じて祈ります。ですから、「何故」ではなく、「いつまで続くのでしょう」と嘆き(5節)、その時の過ぎ去ることを願い、さらに罪の赦しを乞い求めて祈るのです。

 このように詩人は自分たちの苦難が、自分たちの不従順の故の苦難であることを知っていました。しかし、それにもかかわらず13節ではこう言います。「わたしたちはあなたの民、あなたに養われる羊の群れ」。人間的にはあまりにも図々しい祈りの言葉のように思われるかもしれません。しかし、決してそうではありません。この図々しい言葉は神の契約と愛を信じるがゆえの信仰のゆえの祈りの言葉です。詩人は異国の民に「彼らの神はどこにいる」(10節)と言わせません。真の信仰に立ちつつ宣言します。ここに勝利があります。

 【祈り】 どんなときにも、わたしたちを信仰に生かしてください。

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