月刊誌リジョイス 聖書日課 2021年7月23日(金)

詩編89編 それでもなお

  

それでもなお、わたしは慈しみを彼から取り去らず
わたしの真実をむなしくすることはない
契約を破ることをせず
わたしの唇から出た言葉を変えることはない。(詩編89:34-35)

 きょうの詩編は、39節を境に雰囲気ががらりと変わります。前半は神の契約に対する信頼と期待が表明されています。後半はバビロンに連れ去られた捕囚の時代が背景にあるのでしょう。直面している厳しい苦難が描かれます。後半を読むときに初めて、この詩編の作者が、苦しみの中からなお神の契約に信頼を寄せ、そこに救いの望みを置いていることがわかります。

 「主の慈しみをとこしえにわたしは歌います」と始まるこの詩編は、決して平和や繁栄の中から出た言葉ではありません。むしろ逆で、苦難を経験してもなお、変わることのない信仰の表明です。この確信はいったいどこから出てくるのでしょうか。

 それは、34節で神が約束してくださった言葉、「それでもなお、わたしは慈しみを彼から取り去らず、わたしの真実をむなしくすることはない」と語る神の言葉を頼りとしているからです。

 この約束は究極的にはイエス・キリストによって確かなものとされました。苦しみの中にあるとき、キリストを通して示された神の慈しみが私たちを力づけます。

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