月刊誌リジョイス 聖書日課 2021年1月27日(水)

サムエル下15章 父と子の違い

  

「神の箱は都に戻しなさい。わたしが主の御心に適うのであれば、主はわたしを連れ戻し、神の箱とその住む所とを見せてくださるだろう。主がわたしを愛さないと言われるときは、どうかその良いと思われることをわたしに対してなさるように。」(サムエル下15:25-26)

 アブサロムは、一流の戦略家でした。年月をかけて力を蓄え、人心を掴み、味方を増やし、地の利を得て、父ダビデに反乱を起こします。ダビデは息子の反乱に命からがら逃げ出すしかありませんでした。

 それでも、ダビデに従う人も少なくありませんでした。ガト人イタイとガト人600人は、本来はペリシテの人ですが、改めてダビデに忠誠を誓います。彼らは後に、ダビデが反撃に転じる際に軍の一翼を担います。

 一方アルキ人フシャイはダビデからの密命を帯びて、アブサロムの下に降り、祭司ツァドクやアビアタルたちと共に撹乱する役目を担います。こうして、アブサロムの策略に対して、ダビデも逆転の布石を打つのです。

 その一方で、ダビデは神の箱を運び出すことは拒みます。神の箱を王の正当性の根拠として利用するのではなく、むしろ神に自身の正当性を委ねるのです。

 自身の戦略に身を委ねたアブサロムと、知恵を用いつつも最終的には主に委ねたダビデ。この違いが二人の勝敗を分けたのです。

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