月刊誌リジョイス 聖書日課 2020年2月15日(土)

士師12章 闇の現実から

  

エフタはそこでギレアドの人をすべて集めて、エフライムと戦い、ギレアドの人はエフライムを撃ち破った。エフライムが、「あなたたちはエフライムを逃げ出した者。ギレアドはエフライムの中、マナセの中にいるはずだ」と言ったからである。(士師12:4)

 先の11章にはエフタがアンモン人との戦いに勝利したことが記されていましたが、12章に記されるのはイスラエルの部族同士の戦いです。アンモン人との戦いにおいて、ギレアドの人エフタはギレアドと親しかったマナセの人びとに同行を呼びかけましたが、エフライムの人びとには声をかけませんでした。エフライムの人びとはこのことでエフタに激しく不平を言います。

 エフタはこれに対し、かつて自分とギレアドの人びとがアンモン人と戦っていたとき、あなたたちは助けてくれなかったと反論しますが、エフライムの人びとは私たちにことわりもなく勝手に戦いを始めるなど身の程知らずだとエフタを非難し、ギレアドの人びとを嘲ります。怒りに燃えたエフタはギレアドの人びとを集めてエフライムと戦い、エフライムを撃ち破るのです。

 同じ民族同士、しかも神の選びの民同士が互いに高ぶり、憎み、争い、命を奪い合う。士師記の時代の暗さを思わずにはおれません。この闇の現実から光なる御方、憎しみと争いの連鎖からすべての民を解き放つ十字架のキリストを仰ぐようにと、聖書は私たちを促します。

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