エフタは主に誓いを立てて言った。「もしあなたがアンモン人をわたしの手に渡してくださるなら、わたしがアンモンとの戦いから無事に帰るとき、わたしの家の戸口からわたしを迎えに出て来る者を主のものといたします。わたしはその者を、焼き尽くす献げ物といたします。」(士師11:30-31)
勇士エフタは、アンモン人との戦いに勝利しました。それは主が彼と共におられたからです。「主の霊がエフタに臨んだ」からです(29節)。主の民に勝利をもたらしてくださるのは、主なのです。
ところが、エフタはこの戦いの際に、主に誓いを立てて言いました。主よ、もしこの戦いに勝たせてくださったなら、わたしの帰りを出迎えた者を焼き尽くす献げ物としてささげます。
この誓いには、どうしても戦いに勝ちたい、勝利を確実なものとしたいとの彼の思いがにじんでいます。確かに彼は勝利しました。しかし、人間を犠牲として主に献げることは、主御自身が禁じておられたことでした。そして、何ということでしょう。帰ってきた彼を家の戸口で出迎えたのは彼の最愛の娘であったのです。エフタは悲しみ嘆きますが、主に対する誓いは取り消すことができません。彼は愛する娘の命を失わなければならなかったのです。
この悲劇は、神と取り引きする心から生じました。「主の霊がエフタに臨んだ」。それで十分であったのです。全能の主の力に信頼すること。ただそれだけでよいのです。
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