キリストへの時間 2024年8月4日(日)放送

石川亮(芸陽教会牧師)

石川亮(芸陽教会牧師)

メッセージ: 人を変える神

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。高知県安芸市本町二丁目、森澤病院裏手にある芸陽教会牧師、石川亮です。
 今月のキリストへの時間は、私が担当します。この放送をお聞きくださるあなたと共に、御言葉の恵みにあずかることができることを嬉しく思います。

 高知県安芸市に引っ越してきて1年半が過ぎ、2度目の夏を迎えています。これまで、神奈川県や兵庫県などいくつかの県で夏を過ごしました。その中でも、高知県の日差しの強さはなかなかのものです。私は歩くのが好きなので、毎日ある程度の距離を歩きます。強い日差しの中、毎日歩いたおかげで、人生でも一、二を争うほど、日焼けをしてしまいました。おそらく、今年の夏も日に焼けることになるでしょう。

 聖書の中には、季節について記しているものがあります。マルコによる福音書13章28節には、「いちじくの木から教えを学びなさい。枝が柔らかくなり、葉が伸びると、夏の近づいたことが分かる。」という言葉があります。いちじくの木は、ぶどうの木、オリーブの木と共に、イスラエルを象徴する植物です。イスラエルではごくありふれたもので、どこでも見かけることができました。

 夏になるとこの木は、「枝が柔らかくなり、葉が伸びる」ので、それを見た人が、「あー夏が来たんだ」と理解することができるのです。季節は違いますが、日本でも、春になり桜が咲くと、私たちは、「春が来た」と感じます。おそらく、いちじくの木というのは、イスラエルの人々にそのような思いを抱かせる植物であったと思います。

 イエスは、イスラエルのどこにでも生え、夏が来たことを知ることができるいちじくの木を、たとえにしばしば用いました。マルコ福音書13章で、イエスがいちじくの木を用いて伝えたかったことは、季節の到来ではなく、「世の終わり」についてです。聖書は、やがてこの世に終わりが来ることを記しています。ただそれがいつ来るかは、父なる神以外、誰にも分かりません。

 イエスは、いちじくの木の教えに続き、「それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、人の子が戸口に近づいていると悟りなさい。」(マルコ13:29)と言われました。「人の子が戸口に近づいていると悟りなさい」というイエスの言葉は、イエスが世に来られることで、世に終わりが訪れる、それはいつなのかは分からないのですが、もうすぐそこまで迫っていることを表わしています。

 世の終わりを考えると、私たちは、「何もかもなくなるのではないか」と、怖くなってしまいます。イエスは、戦争や災害や飢饉、迫害、偽メシアの出現が起こるが、しかし、それは世の終わりではない、と言います(マルコ13:6-7参照)。確かにイエスが言うことは、私たちの周りでは、現在進行形で起こっています。ただそのことは、人々に大きな苦しみをもたらしていることは確かです。イエスがもう一度世に来られる前に、苦しみが次第に高まっていき、天地創造の初めから今までなく、今後も決してないほどの苦しみが襲って来るのです(マルコ13:19参照)。

 確かに、実際にどのようなことが起こるのかは、断言することはできません。イエスの言葉を聞くと、余計に恐怖が襲って来るかもしれません。しかし、イエスを信じる人たちにとって、世の終わりは、勝利の日、争いも苦悩もない、大いなる喜びの日です。世に終わりが訪れ、イエスを信じる人たちは、新しい地に入り、永遠に労苦も涙もない、平安と喜びの日々を過ごします。

 イエスを信じる人には、この約束が与えられています。この約束があるからこそ、天地創造の初めから今までなく、今後も決してないほどの苦しみが襲って来ても、耐えることができるのです。イエスは、ラジオを聞くあなたに、この救いの約束にあずかって欲しいと願い、聖書の言葉を通して招いておられるのです。



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