キリストへの時間 2024年5月26日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

山下正雄(ラジオ牧師)

山下正雄(ラジオ牧師)

メッセージ: 神への感謝

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
 
 「聖書の世界観」というと大げさですが、聖書やキリスト教について理解するためには、この世界観を理解することが大切です。それは、この世界が唯一の神によって造られた、という世界観です。したがって、何であれ、神によって造られたこの世界の真のオーナーは、神ご自身である、という世界観です。では、人間はというと、人間もまた神によって造られた被造物の一つにすぎず、しかし、この人間に、神はこの世界の管理を委ねておられるという世界観です。

 そういわれても、あまりピンと来ないかもしれません。では、このキリスト教の世界観に立たない別の世界観だと、どういうことになるのでしょうか。この世界は誰かによって造られたものではなく、従って、誰のものでもありません。人間もまた、偶然の存在であって、そこに何かの意味を求めることはただの徒労でしかない、そういう世界観になるでしょうか。

 言い換えれば、好きなように生きることができる世界であり、しかし、それで利害関係が生じるときには、互いの合意によって、あるいは力で相手をねじ伏せて、自己実現を図っていく、そういう世界ということになります。それはある意味、今の現実世界を動かしている世界観であり、その行きつくところに恐ろしささえ感じます。律するものが何もない世界です。
 
 このような世界観で生きるとき、やがて人は、モラル感を高め、法を定めて、無秩序な世界に陥ることがないように生きていくことができる、という楽観論もあるかもしれません。しかし、どんなに国際法を定めても、結局は力がものをいう世界を見ていると、この世界観で生きるには、あまりにも心もとなさを感じます。
 
 では、キリスト教の世界観に立てば、すべてがうまくいくのか、というと、現実はそうではありません。聖書自身が語っているように、人間の罪があまりにも大きく深いために、この世界観に立って生きること自体がままならないからです。しかし、それにもかかわらず、キリスト教の世界観に立って生きようと願うのは、そこに希望があるからです。自分自身に向かう心を、すべての人が神へと向け、このお方の御心を知ろうとするときに、世界は違いを超えて前に進めるように思うからです。
 
 自分の手にしているものが、神からいただいたものであると自覚するときに、それを独占するよりも、感謝の気持ちで分かち合う思いへと向かうことができるからです。才能もそうです。それが一人ひとりに神から与えられたものだと気が付くときに、それを他人と比べる必要もなくなり、また、それを自分一人で独占すべきではないことにも、思いが至るようになります。それら一人ひとりの才能が、無駄になることなく、生かされるときに、よりよい社会が生み出されることを確信するようになります。
 
 世界のオーナーである神にすべての思いが向かうときに、もっとも調和のとれた世界が生まれるものと信じています。そのために、まず神が自分に与えてくださったものを数え上げ、感謝の思いを持つことが大切です。その感謝の思いに至るとき、この感謝を他者とどう分かち合うかに進むことができるのです。



※ホームページでは音楽著作権の関係上、一部をカットして放送しています。
Copyright (C) 2024 RCJ Media Ministry All Rights Reserved.