おはようございます。長野まきば教会の牧野信成です。
モーセの後継者となったヨシュアに率いられて、イスラエルの民がヨルダン川を渡り、カナンの地に侵入するにあたって、ヨシュアは、エリコにスパイを送るように命じました。
エリコは古い都で、当時もカナン人の王が都を支配していました。その様子を探るに当たって、王もその場所を知る売春宿に、二人のスパイは身を寄せて、都の内部を探ることにしました。あいにくその行動は王にばれてしまって、宿に追手が迫ったのですけれども、宿の主人であるラハブは知らん顔をして、王のつかいを追い出し、二人のスパイを朝方まで匿って、命を助けたのでした。
そんなことがバレたら、彼女の命さえ危ういはずです。しかし彼女は、イスラエルの神のうわさをきいて、都がヨシュアによって滅ぼされることを察知していたのでしょう。それで、スパイを逃がすときに約束をさせて、私があなたがたを助けたのだから、あなたがたも私とその親族とを助けるようにと申し出て、ヨシュアの約束を取り付けたのでした(ヨシュア2:1-14参照)。
こうして、イスラエルを導く主なる神の御業は、またもや、ラハブという売春宿の主人を用いて、救いを前に進ませることに成功したのでした(ヨシュア6:25参照)。この、「ラハブとサルモンとの間にボアズが産まれた」とは、イエス・キリストの系図が告げていることです(マタイ1:5参照)。ボアズとは、ルツ記に登場する、ルツを贖って妻としたダビデの祖先です。こうしてラハブもまた、マタイ福音書にあるイエスの系図に名を残すことになりました。