あさのことば 2024年8月23日(金)放送

杉山昌樹(上福岡教会牧師)

杉山昌樹(上福岡教会牧師)

メッセージ: 正しいのはどちらか?



 いかがお過ごしですか。上福岡教会の杉山です。

 「貸し借り」という言葉があります。友達同士、食事をおごらせて、じゃあ今回は借りだ、という程度なら害のないことですが、もっともっと厳しい場面があります。何かの事件、事故で被害に遭ったとしたら、私たちは、どれほどひどい目に遭ったかを強く言わずにはいられません。もちろん、被害者は救済されるべきですし、正義が行われるべきです。それは、どこも間違っていません。

 ではその逆に、自分が誰かに被害を与えてしまったとしたら、どうでしょうか。今度は立場が逆転します。私たちは、相手が納得するまで謝り、償うことが求められます。そして多くの場合、私たちは、どのような時も、被害を受けた側に立ちたがるのではないでしょうか。

 ところで、イエスが弟子たちに教えた祈りに、こんな言葉があります。「わたしたちの負い目を赦してください、わたしたちも自分に負い目のある人を 赦しましたように。」(マタイ6:12)

 問題は、この順番です。なぜか「負い目を赦してください」という言葉が先になっています。それは、先ほど触れたように、私たちが、自分は負い目のあるものだ、と思うことが遅く、むしろ、相手こそ、自分に負い目のあるものだ、と思いたがるからではないでしょうか。

 しかしイエスは、ある時、明らかに死刑にあたる罪を犯した人をどのようにするのか、と尋ねられた時に言いました。「まず罪のないものから、この人に刑罰をくわえなさい」…その結果、そこからは、誰もいなくなってしまったのでした(ヨハネ8:1-11参照)。

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