おはようございます。横浜中央教会牧師の大宮季三です。
同じような意味の言葉でも、ちょっとした表現の違いによって、全然違う印象を持つことがあります。「自分らしく生きる」、「自分の気持ちに正直に生きる」、こう聞くと、とても良い印象を受けます。一方で、「自分の思い通りに振る舞うこと」を、「わがまま」と言います。「わがまま」と聞くと、悪い意味で使われることが多く、否定的な意味を強く感じます。
ところで聖書は、「自分の思い通りに振る舞う」ことは、かなり「ヤバい」ということを警告している書物です。聖書には、次のような言葉があります。「わたしは自分の望む善は行わず、望まない悪を行なっている。」(ローマ7:19)、「善をなそうと思う自分には、いつも悪が付きまとっている」(ローマ7:21)
聖書は、自分らしく自分の思い通りに生きる時には「悪」が付きまとう、ということを教えています。頭で考えていることをそっくりそのまますべて口に出したり、行動に起こしたとすれば、ほとんどの人間関係は崩れてしまうのではないかと思います。
しかし聖書は、「わがまま」なあなたを、「わがままだからダメ!」と断罪しておしまいの書物ではありません。あなたがいかにわがままであるかをすべてご存じの上で、そのあなたのためにすでに死んでくださった、神の子イエス・キリストを差し示している書物です。
イエス・キリストは、「わがまま」なあなたが、神の国に永遠に生きるために、十字架に架かって死んでくださいました。これが、聖書の語る神の愛です。