おはようございます。松戸小金原教会の三川共基です。
うら若い少女マリアの楽しみにしていた結婚生活は、天使のお告げによって、暗い影を落としました。これから自分の身にどのような不幸が降りかかるだろうかと、不安がよぎったことでしょう。けれども、神が、自分やお腹の中の赤ん坊を守っていてくださる、と信頼しました。不安や恐れの中で、しかし、信頼の思いから歌い出したのが、「マリアの賛歌」(ルカ1:47-55参照)です。
その中でマリアは、こう述べます。「その僕イスラエルを受け入れて、憐れみをお忘れになりません」(ルカ1:54)天使を遣わし、不思議な仕方で子どもを授けてくださった神は、自分のことをも憐れんでいてくださる、と言うのです。何が何だか分からないまま、とりあえず祈ったのではありません。聖書の神の憐れみが必ずある、と信頼したからこそ、この言葉を口にすることができたのです。
これから先、どのような恐ろしい事態が起こるかは誰にも分かりません。しかしマリアは、聖書の神こそ救い主であり、どのような恐ろしい事態、どのような不安な出来事の中でも、その救いの御業を成し遂げてくださる、と信頼したのです。そして、生まれてきた赤ん坊を「イエス」と名付けました。その名は、「神こそわが救い主」という意味です。ここに、マリアの信仰があります。
こうして、うら若い母親の賛美とその息子イエスの存在が、ひとつの家族を越え、世界中を大きな幸せに包みこんでいくことになりました。どうかあなたの元にも、この信頼の言葉がこだましますように。