おはようございます。松戸小金原教会の三川共基です。
今日は、聖書に登場する「ハンナ」という女性を紹介します(サムエル上1:1-20参照)。ハンナは、あまりにも不憫な境遇の中で、泣き叫んで神に祈りました。結婚している夫との間に子どもを授かることができず、そのことで、周囲から冷ややかな目で見られ、苦しんでいたのです。
しかしこのとき、ハンナは、ただ泣きじゃくって、声にならない祈りをしたのではありません。神への誓いを立てて祈りました。子どもを授かったら、その子どもを神へおささげする、という誓いです。今日では、子どもの人生を親が縛ることは問題視されるかもしれません。また、せっかく子どもを授かったとしても、それを手放して神にささげるということは、意味の通らないところがあるかもしれません。
しかしここには、ハンナの信仰がよく表されています。ハンナには、神からいただいたものをそっくりそのままお返しする、という信仰があったのです。その信仰には打算がありませんでした。だから、神へ文句をぶちまけることも、要求ばかりをすることもありません。神は必ず祈りを聞き入れてくださる、と信頼しているのです。
そして、ここでハンナのすごいところは、自分の幸せよりも、神のすばらしさが世に知れわたることを優先したことです。自分自身ですら惨めに感じるほどの、絶望と不幸のどん底にあったのにです。その信仰から生まれてきた子には、「サムエル」という名前が付けられました。それは、「その名は神」という意味の名前です。授けられたこの子どもを通して、自分の信じてやまない神の名前が、世界中に知れ渡るように、と願ったのです。