ごきげんいかがでしょうか。草加松原教会の川杉安美です。
旧約聖書詩編138編3節に、次のような言葉があります。「呼び求めるわたしに答え あなたは魂に力を与え 解き放ってくださいました。」
これを書いた詩人は、これまでの信仰生活の中で経験したことを語っているようです。具体的なことは分かりませんが、何か苦しい経験をしたようです。苦しみの中で、心が締め付けられ、もうどうしたらいいか分からない、という思いにかられたのでしょう。心も体も縮こまって、身動きが取れない、そんな状況のようです。
その中で、詩人は神様に祈り求めました。すると、神様が解き放ってくださった、というのです。何か急に状況が変わったとか、苦しみの原因が即座に取り去られたとか、そういうことではなさそうです。むしろ、状況は何も変わっていない。その中で、詩人は、神様によって解き放たれたのです。もう駄目だと、心も体も縮こまって、身動きが取れないように思えたのが、解き放たれたのです。
大丈夫なのだ、道は開けるのだ、神様が共にいてくださるのだ、そういうふうに心が解き放たれる、解放される。そういう経験をしたのです。これも、祈りの力です。神様に祈って、状況が変えられることもあるでしょう。具体的に解決が与えられることもあるでしょう。しかし、この詩人のような解決もあるのです。たとえ状況が変わらなくても、心が解き放たれる、解放される、大丈夫だと分かる。それも、祈りによってこそ経験することです。