おはようございます。日本キリスト改革派の東仙台教会で牧師をしております、尾崎純と申します。
「ナルニア国ものがたり」で有名な作家のC.S.ルイスの友人たちが、「聖書の神と人間のつくった宗教の最大の違いは何だろう」と議論していました。そこに入ってきたルイスは、即座にこう言ったんだそうです。「それは簡単だよ。恵みだよ。」
「恵み」とは、神の愛のことですが、神の愛は無償の愛であり、無条件の愛です。神の愛は、受けるに値しない者にも注がれるのです。人間が作りだした考えに、恵みというものはそうそうないでしょう。
その代わり人間は、「教え」というものを好みます。そして、その教えというのは、結局のところ、頑張って成長しなさい、という教えです。それは、宗教だろうと、家庭や学校や企業での教育だろうと同じです。そして、そうだとすると、結局はすべて自分の才能や努力にかかってくることになります。私たちは、そのような教えに慣れています。
しかし、神の恵みは実のところ、私たちの周りにいくらでもあります。私たちが日々、ご飯を食べることができるのは、私たちが働いて得たお金を支払ったからですが、食べ物というのは、元は命です。私たちは、その命を自分の手で作ったわけではありません。私たちが生かされているのは、神の恵みによってなのです。