東北あさのことば 2024年3月2日(土)放送  東北あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

尾崎純(東仙台教会牧師)

尾崎純(東仙台教会牧師)

メッセージ: 現実的でない話



 おはようございます。日本キリスト改革派の東仙台教会で牧師をしております、尾崎純と申します。
 ある教会に招かれた年老いた牧師が、礼拝で説教をしました。

 「父親とその息子と、息子の友人がヨットで海に出たが、嵐になり、ヨットが転覆した。父親はヨットにしがみついて、命綱を掴んだ。父親は、イエスを救い主と信じている自分の息子が、イエスと一緒に永遠の世界に足を踏み入れることを知っていた。そして、イエスを信じていない息子の友人が、イエスのいない永遠の世界に足を踏み入れることを考えると耐えられなかった。父親は、息子の友人に向けて命綱を投げた。息子の友人を救うために、息子を犠牲にした。神は、私たちのために、それと同じことをしてくださった。」

 礼拝が終わってから、一人の若者が、年老いた牧師に言いました。「今日のたとえ話は、あまり現実的ではないと思います。」年老いた牧師は、若者を見つめて言いました。「そう、現実的ではないですね。でも、聖書を読むと、神様がこの私のためにひとり子をささげてくださったことが、どんなことだったのかがわかるんです。今日の私の話ですが、私が、息子の友人に命綱を投げた父親です。そして、この教会の牧師、あなたの牧師は、私の息子の友人なのです。」

 聖書には、信じられない、考えもしなかったようなことばかりが書かれています。ただ、その言葉は、現実に私たちに働く力です。

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