キリストへの時間 2023年12月31日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

申成日(広島教会牧師)

申成日(広島教会牧師)

メッセージ: 人の計画と神の導き

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。広島教会の申です。
 いよいよ今年の最後の日の朝を迎えました。一年を過ごし新しい年を迎える時、わたしたちは、過ごしてきた一年の様々な出来事を顧み、また新しい計画をもって新年を迎えます。

 この時に必ず覚えたいことは、神の導きです。旧約聖書の箴言という言葉の中に、次のような言葉があります。「人間の心は自分の道を計画する。主が一歩一歩を備えてくださる。」(箴言16:9)わたしたちは、様々なことを考えて将来のことを計画します。信仰者も同じく、信仰をもとにして将来を計画したり、考えたりするけれども、しかし、それが必ずしも神様の御心と一致するわけではありません。神様は、御心にかなうことを、思わぬ形で一歩一歩備えてくださる方です。

 聖書は、このことをわたしたちに、いろいろな物語を通して教えてくださいました。最も代表的な物語と言えば、旧約聖書のヨセフ物語です。ヨセフは、ヤコブの12人の息子の中で11番目の息子でした。ヨセフは、12人の兄弟の中で、一番父親から愛された息子です。ですから彼は、兄たちに妬まれる存在でした。結局ヨセフは、兄たちの罠にはめられ、遠い国エジプトの奴隷として連れていかれる身となります。

 ヨセフの不幸は、それで終わりではありません。ヨセフが売られたところは、エジプトの宮廷の役人の家でした。ヨセフは奴隷でありながらも、一生懸命働いて、御主人様に信頼を得られるようになりますが、彼のことを好きになった御主人の奥さんを拒んだことで、彼女を怒らせ、もう一度囚人の身となります。

 でもヨセフには、牢屋で劇的な出会いが待っていました。それは、かつて王の側近として仕えていた人で、ヨセフは、彼の夢を説き明かすことで、彼の復帰を予見したのです。そして、ヨセフの解き明かし通り、やがて彼は王の側近として復帰すると、王が自ら見た夢で悩んでいた時、かつて牢屋の中で自分の夢を説き明かしてくれたヨセフのことを思い出し、王にヨセフを紹介することになります。結局、ヨセフは、エジプトの王ファラオの夢を解き明かし、国の危機を救うことになり、エジプトの総理大臣まで出世し、後に大飢饉によって死にそうになった自分の家族まで救うような身分になるという物語です(創世記37-45参照)。

 このようなことを考える時、わたしたちは、ヨセフが兄たちに妬まれてエジプトの奴隷に売られたことが、まさに神様の御心であり、神様の大きなご計画の中にあったことを認めなければなりません。もちろんこのことについては、当時の人、特にヨセフやヤコブは、直接分かったことではありません。むしろ、「わたしの人生はなぜこうなったんだろう」と思うことが多かったと思いますが、後の子孫は、この歴史を通して、神様の深いご計画を悟ることが出来たのです。

 わたしたちは、自分ではあまり感じてないかもしれませんが、この世を支配しておられる神様の働きが確かにあることを認めたいと願います。ある人にとっては、とても耐え難い辛い思いをすることもあるかもしれません。しかし、神は、神を信頼している人々を裏切ったり、見捨てることは絶対なさいません。神の不思議な導きと計画があることを信じて、新しい年を迎えるわたしたちになりたいと、切にお祈りいたします。



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