【高知放送】
【南海放送】
おはようございます。広島教会の申です。
今日も、聖書に出てくる、イエスの誕生を待ち望んだ一人の人を紹介させていただきます。
今日は、イエスの父親である「ヨセフ」の話です。神の子であるイエス・キリストですが、その方が地上に人の姿でお生まれになる時、ヨセフとマリアの子供としてお生まれになりました。しかし、マリアが身ごもった時、実は、まだ結婚してない状況でした。マリアとヨセフは、婚約関係でした。ここで言う「婚約」というのは、今の婚約とは少し違います。この婚約を行いますと、お互いに、「夫」「妻」と呼ぶことができます。また、この期間に男が死ぬと女性はやもめになりますし、この期間に女性が他の男と不正な関係になると、それは姦淫の罪で、石で打ち殺されることになっていました(申命記22:23-24参照)。しかし、まだ婚約している間は、一緒に暮らすことはできません。二人が一緒になるまでには、だいたい1年を必要としたそうです。
ところが、そのような婚約の状況の中で、妻マリアは身ごもってしまいました。しかも、その事実をヨセフが分かってしまいました。ヨセフは、どうしてこのマリアの妊娠を知ったのでしょうか。聖書の記録から見れば、この事実は他の人には知らされず、ヨセフだけが分かったようなので、マリアから直接ヨセフに言ったかもしれません(マタイ1:18-19参照)。このようなヨセフに、天使をとおして神様からのお告げがありました。ここでやっと、ヨセフは、マリアの妊娠が不正によるのではなく、神様の不思議な働きによって身ごもったことを知らされました。
聖書を見ると、ヨセフの人柄は、「正しい人」(マタイ1:19)と言っています。その正しさの基準は、神が与えてくださった教えにあります。ヨセフは、非常に厳格にその教えを守った敬虔な人でした。そのような人が、神の命令に逆らうはずがありません。将来どうなるのか、良く分からないけれども、自分の子ではないマリアの胎に宿っている子供を、自分で育てることにしたのです。彼は、天使をとおしてなされた神の命令に、ことごとく服従します。身ごもっているマリアを妻として迎え入れ、今度は、命令されたことでもないのに、その子が生まれるまでマリアと関係することをしませんでした。
天使はヨセフに、「マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」(マタイ1:21)というメッセージを語りました。この言葉を聞いたヨセフの心の中では、「この子がまさに、自分たちが待っているメシアである」と思うような確信が与えられたのではないかと思います。「イエス」という名の意味は、「神は救いである」という意味の名前です。ヨセフは、天使の言われた通り、生まれた子に「イエス」と名付けます。ヨセフの心の中でも、この救いを与えてくださる神を待ち望んでいたに違いありません。
クリスマスは、人類に愛と平和をもたらしてくださるイエス・キリストがお生まれになったことを記念する日です。その方をとおしてなされる神の大きな働きを知っているからこそ、イエス・キリストの誕生を共に祝う我々になりたいと願います。