キリストへの時間 2023年12月3日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

申成日(広島教会牧師)

申成日(広島教会牧師)

メッセージ: イエスの誕生を待つ人々〜シメオン

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。広島教会で牧師をしております、申ともうします。
 いよいよ12月になりました。クリスマスが待ち遠しいですが、今日からクリスマスまで、イエスの誕生を待っていた聖書の人物について、皆さんに紹介させていただこうと思います。

 聖書の中に、「シメオン」という人が出てきます。彼がどんな人なのか紹介している聖書の言葉の中には、「イスラエルの慰められるのを待ち望」(ルカ2:25)む人だった、という言葉があります。これは、イスラエルを救うメシアを待ち望むことを意味しています。メシアは、イスラエルに慰めをもたらす方です。ただ抑圧されているイスラエルを政治的に解放するだけではなく、サタンの支配に抑圧されている人々に、希望と勝利をもたらしてくださる方です。シメオンは、そのメシアを待ち望んでいました。

 そのようなシメオンが神の導きによって神殿の境内に入った時、彼は、生まれたばかりの幼子イエスと出会いました。その瞬間、彼は、幼子を腕に抱き、次のように神を賛美し始めます。「主よ、今こそあなたは、お言葉どおり この僕を安らかに去らせてくださいます。わたしはこの目であなたの救いを見たからです。これは万民のために整えてくださった救いで、異邦人を照らす啓示の光、あなたの民イスラエルの誉れです。」(ルカ2:29-32)

 シメオンは、正しい人で、信仰もあつい敬虔な人でした。また、常に心が神に向けられる生活をしていました。そのように生きた人、そのような忠実な人生を送った人です。今死んでも、多くの人たちから、「あの人は立派な人生を送った」と言われるほどの人生でした。しかし彼は、たとえ自分が自分自身を誉めたいほどの人生であったとしても、まだ死ぬことができませんでした。死ぬ前に必ず見たいことがありました。

 それは、メシアによる人類の救いの希望です。多くのイスラエルの人々がメシアを待っているとしても、実はその望みは、人々の心から薄くなっていました。「メシアなんか来るもんか」と思っていました。しかしその中でも、堅くその望みを持ち続けた人であります。その人がシメオンでした。

 シメオンは、人生の最後の時を、もしかして何の意味もなく過ごしたかも知れません。しかし、イエスの誕生は、彼の生きる目的を果たしてくれました。だからこそシメオンは、その後、「この僕を安らかに去らせてくださいます」と言ったのです。彼は、イエス・キリストによる救いを見たからです。その救いがあるからこそ、安心して、この世を去ることができるのです。

 多くのクリスチャンたちは、死の直前に、穏やかな顔で死を迎えています。なぜなら、死んだ後の希望があるからです。イエス・キリストはまさに、そのような祝福をわたしたちに与えてくださった方です。

 年老いた方に「将来の希望を聞く」というのは、馬鹿げたことと思われるかもしれません。しかし人間は、希望なしには一時も生きることができないと言われています。特に、年老いた人の希望の中には、愛する子ども、孫、家族が、安全で幸せな日々を過ごされますようにと願い求めるでしょう。「愛するわたしの家族、息子、娘、孫、ひ孫、そして何よりも愛する妻、夫が、愛と平和に生きるように」と願うわたしたちの心が、クリスマスを通して実現されることを切に願います。

 なぜならば、クリスマスは、この世を愛する神が、人々のために、愛する独り子をこの世に送って下さったことを記念する日だからです。わたしたちも、そのようなクリスマスを待ち望みたいものです。



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