【高知放送】
【南海放送】
おはようございます。高知県の土佐山田という場所で牧師をしています高内信嗣と申します。よろしくお願いします。
先週に引き続き、日本の大ヒット漫画「ONE PIECE」からお話ししたいと思います。
「ONE PIECE」は、主人公ルフィが海賊として、ひとつなぎの大秘宝「ワンピース」を探し求める海賊漫画です。この漫画には様々な海賊団が出てくるのですが、本日は、二つの海賊団を紹介したいと思います。まず、「ビッグマム海賊団」です。船長ビッグマムは、四皇と呼ばれる海の帝王の一人です。なんとビッグマムが産んだ子供は、総勢85人に上ります。そして、夫は43人います。ビッグマム海賊団は、ビッグマムの子供と夫で構成されています。つまり、海賊団が、一つの血の繋がった家族となっているのです。
そして、今回ご紹介したいもう一つの海賊団が、「白ひげ海賊団」です。船長の白ひげも、ビッグマムと同じく、四皇と呼ばれる海の帝王の一人です。作中の中では「世界最強の男」と呼ばれているほど、実力のある海賊です。白ひげ海賊団のメンバーは、面白いことに、全員、船長の白ひげのことを「オヤジ」と呼びます。そして、白ひげは、船員を「息子」と呼びます。血は繋がっていません。作中の回想シーンの中で、白ひげは、子供の時から「家族」が欲しかった、と語っています。血は繋がっていない船員たちですが、白ひげは、家族として、船員を大切にしていたのです。ビッグマム海賊団は、一つの血の繋がった家族が海賊団になっているのに対し、白ひげ海賊団は、血が繋がっていないけれども、一つの家族として海賊団が形成されているのです。
さて、実は聖書の中で、イエス・キリストというお方が、「家族」について語る場面があります。イエス様は当時、ガリラヤという場所でお働きをしていました。神様についてメッセージを語ったり、病気の人を癒されたりしていました。この地方で、大きな影響を与えていました。すると、イエスの家族たちのところに、「あの男は気が変になっている」という変な噂が入り込んできました。それを聞いた家族は、とてもイエスのことを心配します。イエスは長男でした。聖書の中で、イエスの父は、イエスの幼少期しか出てきませんので、もしかしたら早く亡くなっていたのかもしれません。家族としては、長男として、一家を支えてほしいという思いがあったと思います。
家族たちは、イエスを取り押さえようとやってきました。イエス様の影響力は大きかったので、この時も、家の中に多くの人が集まっていました。そのため、イエス様の家族は、使いをやって、イエス様を呼ばせます。その時、イエス様は、「わたしの母、わたしの兄弟とはだれか」(マルコ3:33)とおっしゃいました。使いの人もびっくりですが、続けてイエス様は、家の中にいる人々を見回して、「ここにわたしの母、わたしの兄弟がいる。」(マルコ3:34)と言われたのです。イエス様の周りにいる人々は、親族でも何でもありません。その人々をイエス様は、「家族」と言われたのです。
集まってきていた人々は、イエス様の話しを聞きに来た人、あるいは、病気を癒してもらいに来た人々だったと思います。つまり、イエス様を求めに来た人たちです。その人たちをイエス様は、「私の家族だ」と言って受け入れてくださったのです。ここに、イエス様の温かさがあるように思えます。なんだかホッとします。血が繋がっていなくても、イエス様は、私たちのことを本当の家族として受け入れてくださっているのです。先ほどお話ししました、白ひげ海賊団とも重なり合います。白ひげは、船員のことを「家族」として受け入れ、仲間の死を決して許しません。仲間の命を本当に大切にしています。
同じように、イエス様も、あなたのことを「家族」として受け入れてくださっています。あなたの命が、この世界で軽んじられることを許しません。イエス様は、あなたの命を本当に大切なものとしてくださっています。今朝、イエス様に家族として受け入れられていることに目を向けながら、一緒にホッとした、温かな気持ちになりたいな、と思います。今日一日が祝福されますように。