キリストへの時間 2023年7月23日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

申成日(広島教会牧師)

申成日(広島教会牧師)

メッセージ: 神に委ねて生きる〜神に助けを求める〜

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。広島教会の申です。
 いよいよ子どもたちは夏休みに入るでしょう。暑い日々の中、この日曜日の朝の静かな時間が与えられること、感謝します。

 人の幸せの条件は、何があるでしょうか。ある人を見て、「うらやましい」と思うことがあるかもしれませんが、だからと言って、その人が本当に幸せなのかと言えば、それは分かりません。その人も、それなりに心配事や苦しいこと、悲しいこともあるかもしれません。

 聖書に、ある金持ちの青年の話が出てきます(マタイ19:16-26、マルコ10:17-27、ルカ18:18-27参照)。皆さん、若い青年が金持ちであると言えば、「彼はどうして若くして金持ちになったのか」と思いませんか。今のようにベンチャー企業を興し、一瞬にして大金持ちになるような時代ではありません。若い青年が金持ちであるというので、きっと親から譲り受けた財産が多かったでしょう。

 彼の職業は、国会議員でした。当時の国会議員というのは、行政と裁判全体に関わる重要な働きをする人ですから、その出身も大切ですが、学識や律法の行いなども大切です。その上に金持ちですから、この青年は、すべての条件が整えられている人だったのです。このような人であるならば、何の心配も悩みもないと思いますが、しかし、そのような人がイエスを訪ねてきました。心配事があったからです。

 「先生、永遠の命を得ることは、どんな善いことをすればよいでしょうか。」彼が、イエスに尋ねたことです。主イエスが、永遠の命についてのメッセージを良く語っていたからです。また、彼自身、いろんなことを手にした人ですが、永遠の命を手にすることはできませんでした。彼がどのような「永遠の命」をイメージしていたかは分かりません。「何か善いことをすれば得られる」と思っていたでしょう。だからイエスは、彼に、「神の掟を守りなさい」と言います。すると彼は、自信を持って「そのようなことは守ってきました」と言います。

 これは驚きです。この青年は、金持ちであり、議員であり、若い人でありながら、「神の掟はみな守ってきた」と自信をもって言えるような人だったのです。それでも彼は、不安と心配がありました。永遠の命は、まだ自分の手に入ってないからです。イエスは青年に、「あなたの持っている物を全部売り払って、貧しい人々に施し、わたしに従いなさい」と言います。これらのことはすべて、彼を試みる言葉でした。青年は、この言葉を聞くと悲しみながら立ち去りました。

 その時、イエスは、あの有名な言葉を口にします。「金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい。」(マタイ19:24)これは一つのことわざであって、結局不可能だということです。このことを聞いている弟子たちも、「それでは、だれが救われるだろうか」と言い出しました。そこで、主イエスは言います。「人間にできることではないが、神は何でもできる」(マタイ19:26)これこそ、真理の言葉です。

 わたしたち人間は、幸せに生きるために、いろいろと頑張ります。それは、とても良い生き方です。しかし、「人間にできないことなどない」という愚かさもあります。最善を尽くして生きる必要はありますが、神の領域のことは、神に委ねることも必要です。人間にはできないことを、心配し、悩み、苦しみ、悲しんでも解決はありません。神の存在を認め、神にすべてを委ねて、神の助けを求めるならば、神はその問題を解決してくださいます。それこそ、賢く生きる生き方ではありませんか。



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