キリストへの時間 2023年7月9日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

申成日(広島教会牧師)

申成日(広島教会牧師)

メッセージ: 神に委ねて生きる〜完全な癒し〜 ♪「『本当の愛』歌:ノア」

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。広島教会の牧師、申です。
 今日は、どのような気持ちでしょうか。日々忙しくされる方、寝不足で疲れていらっしゃる方、余裕のある日曜日の朝を迎える方、いろいろいらっしゃると思います。今日も聖書の言葉を聞きながら、一日を始めましょう。先週の引き続き、「神に委ねて生きる」というテーマで語らせていただきます。

 先週、話させていただきました、会堂長の娘を生き返らせる出来事の途中に起こった話です。イエスが、会堂長の願いを受け入れ、彼の家に向かう途中、ある女性と出会います(ルカ8:42-48参照)。その女性は、12年間出血が止まらなく苦しんでいた人でした。聖書は、彼女が、多くの医者にかかって、ひどく苦しめられ、全財産を使い果たしたけれども、何の役にも立たず、ますます悪くなるだけだった、と伝えています。

 彼女のこの病気は、女性が患う病気で、あまり公に言えるような病気でもありませんが、当時はこのような病気は、「神の前に罪を犯して汚れた」と見なし、ユダヤ人社会からも隔離されるような病気でした。どれだけ辛い思いをしたでしょう。自分の全財産を全部使い果たすほど、「癒されたい」という思いがありました。そのような彼女の気持ちは、その行動に現れます。何と彼女は、群衆に囲まれているイエスの服を、「触るだけでも癒されるかもしれない」と思い、群衆の中に紛れ込み、後ろからイエスの服を触ったのです。

 しかし、そのようなことが起こるはずがありません。イエスが神の子であるとしても、その方が着ている服が、そのような不思議な力を持っているはずがありません。でも彼女は、不思議にも病気が癒されました。それはなぜでしょうか。それは言うまでもなく、神の子であるイエスが、彼女とその信仰を知っていたからです。イエスの服に不思議な力があるから癒されたのではなく、主イエスが彼女の信仰を見て、癒しを与えてくださったことです。

 でも、問題はそこからです。主イエスは、「だれかわたしの服を触った」と、この問題を公にしました。女は恐ろしくなって、自分が触ったことを進み出て告白しますが、その女に向かって主イエスは、「『娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心していきなさい。』(ルカ8:48)、もうその病気にかからず、元気に暮らしなさい。」と言いました。

 彼女は、こっそりとイエスの服を触り、イエスも、誰も気づかないうちに彼女の病気を癒しました。それなのに、イエスはどうしてそのことを公にしたでしょうか。それは、病気が癒されることで、彼女の問題がすべて解決されたのではないからです。つまり、彼女は、社会的にも隔離されるような病気を患っていたので、その病気が癒されたことを公にすることによって、彼女のもう一つの問題を解決してくださいました。このことで、彼女は、わざわざ人々に「わたしの病気は癒された」と言いまわす必要がありません。自然に、大勢に群衆が、彼女の癒しを目撃したからです。

 わたしたちは、病気や障害による辛さ、不便さもありますが、それよりもっと辛いのは、周りの人々の偏見や気になる視線です。そのことまで解決されなければ、完全な癒しとは言えないでしょう。神様は、わたしたちの細かいことまでご存じの方です。そのような神様に、あなたの人生を委ねてみませんか。神は、イエス・キリストを通して、あなたを愛しておられます。



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