キリストへの時間 2023年7月2日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

申成日(広島教会牧師)

申成日(広島教会牧師)

メッセージ: 神に委ねて生きる〜心の癒し〜

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。広島教会の牧師、申ともうします。
 いよいよ本格的な夏の季節になりました。皆さんの心はお元気でしょうか。幸せな日々を過ごされていますか。

 人は誰でも、穏やかで幸せな日々を過ごすことを願います。しかし、必ずしもそうなるわけではありません。むしろ、様々な悩み、心配、苦しみ、悲しみの中で、日々を過ごすことがあります。「早くこの状況から抜け出したい」という思いもあるでしょう。でも、なかなかそうならないことに辛さを感じます。

 聖書の中でも、そのような思いの中で、辛い日々を過ごしていた人々がたくさん出てきます。娘の病気によって辛い日々を過ごす、ある父親がいました(ルカ8:40-56参照)。その娘は、彼にとってかけがえのない一人娘でした。しかし、その娘が12歳になった今、死にそうになりました。「愛する一人娘を生かすために何でもする」と思う父親ですが、彼は何もできませんでした。

 彼の職業は、会堂長です。つまり、ユダヤ人たちが集まり、礼拝したり学びをしたりする会堂を管理しながら、礼拝を導き、律法を教えるという、当時としては最高のエリートであり、上流社会の人でした。多くの人々に尊敬される職業でもあります。そのような地位にいながらも、死の病気を患っている一人の娘のことで、大変な日々を過ごしていました。娘の病気については具体的に何も出ていませんが、12歳にして死んでいく娘の姿を見ている親の気持ちを、十分察することができます。

 彼は、「わらをも掴もう」という思いで、イエスの所に来ました。噂から、「イエスなら癒してくれるかもしれない」と思ったでしょう。当時、ユダヤ人の宗教指導者たちは、イエスのことを嫌っていましたから、このような会堂長の姿から、彼がどれだけ必死だったのか分かります。しかし、イエスが会堂長の願いを受け入れて、彼の家に向かって行く途中、会堂長の家から使いが来て言いました。「お嬢さんは亡くなりました。この上、先生を煩わすことはありません。」(ルカ8:49)

 父親の心は、いかに悲しいことだったでしょう。結局、一人娘のために何もできなかった、無力な父親になってしまったのです。わたしは、彼と同じく障害を持つ子供の父親ですので、その気持ちを少し分かるような気がします。イエスも、その父親の悲しみを分かっておられました。「恐れることはない。ただ信じなさい。そうすれば娘は救われる。」(ルカ8:50)イエスは、このような励ましの言葉のみならず、実際、この死んだ娘を生き返らせてくださいました。

 これは、聖書に記されている、いくつかの死んだ人を生き返らせる奇跡物語の一つです。しかし、ここでわたしたちが本当に注目したいのは、「娘が生き返った」ということではありません。それより、愛する娘を生かすために必死だった父親の「心の癒し」です。親の信仰によって娘が癒されるということに焦点があるのではなく、イエスは、この父親の信仰の故に、彼の心の苦しみを癒してくださったのです。 イエスは、そのようなことまでなさる方です。

 あなたの心は、今、癒しを求めていませんか。あなたのすべてのことを御存じである神様に、あなたの人生を委ねてみましょう。神様は、イエス・キリストを通して、あなたを愛しておられます。



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