【高知放送】
【南海放送】
おはようございます。いかがお過ごしでしょうか。広島県東広島市西条中央にある東広島教会の牧師をしております、李哲敏(イチョルミン)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。お近くに来られた時は、ぜひ、東広島教会にお立ち寄りください。
みなさんは、焼肉が好きでしょうか?私の家族は、みんなお肉が好きで、時々バーベキューをします。バーベキュー材料を買いに、子どもたちと一緒にマートへ行くと、それぞれ自分が好きなものを選びますが、絶対買わないものがあります。それは、ステーキ用のお肉です。なぜなら、焼きたてのお肉をすぐ食べたいのに、ステーキをおいしく食べるためには、焼き上げてしばらく待たなければならないからです。私と妻は、せっかくのステーキですから、最高の味のためならいくらでも待ちますが、それができない子どもたちは、焼いてすぐ食べられるサムギョプサルが一番好きです。
食べ物をよりおいしく食べるベストタイミングがあるように、人間を含む天地万物にも、各々のベストタイミングがあると思います。そしてそれは、キリスト者の信仰生活においても、同じだと思います。私たち人間は、自分の願いとお祈りに、神さまがすぐ答えてくださるのを願いますが、神さまは、私たちが望むタイミングでなく、御自身のタイミングで働かれ、答えてくださいます。そして、聖書によりますと、神さまが定められ働かれる、まさにそのタイミングこそ、まことのベストタイミングです。しかし、人間は、その神さまのタイミングまで待つのを嫌がります。
堕落した世界を裁き滅ぼすために、40日40夜降り続いた雨で、全世界は水に覆われました。しかし、神さまの恵みによって箱舟を作った、ノアと彼の家族は救われました。ノアたちは、雨が降る前に箱舟に入って、約1年間その中にいました。去年、家族全員が新型コロナウイルス陽性になったため、2週間自宅隔離をしました。たった14日間でしたが、インドアばかりの時間は大変でした。それに比べて、ノアさんたちは、約1年間箱舟の中で、しかもすべての獣と家畜と一緒でした。一日も早く外に出たかったと思います。
箱舟は、待っている場所です。「第1の月の1日」に、ノアは、地の面が渇いたのを見ましたが、箱舟から勝手に出ずに、神さまのことばを待ちました。神さまは、「第2の月の27日」に、地がすっかり乾いた後で、箱舟から出るように命じられます。ノアは、1年以上も箱舟の中にいましたが、急いで箱舟から出ようとせず、神さまが語られるまで待ちました。(創世記8:13-19参照)
私たちは、スピードを求める時代を生きています。なんでも素早く、即時にできなければ、我慢できないのです。このような時代を生きているキリスト者の時計は、何に合わせればよいのかを、ノアを通して学ぶことができると思います。私たちが思うベストタイミングと、神さまのご計画にあるベストタイミングは、一致しない時があります。それは、神さまが、私たちの祈りを聞いて下さらないとか、約束を守らないことではありません。神さまは、いつも私たちのお祈りを聞いておられ、ご自分が定められた時、定められた方法で答えてくださいます。
神さまは、約束を成就なさるため、休まず働かれるお方です。ノアが箱舟の中にいた時、神さまは、箱舟の外で箱舟を守り、働かれました。私たちが、闇の中で待っている間、神さまが私たちのために働いておられることを信じてください。
年明けに、いろいろ計画を立てられたと思います。そして、いろいろ神さまに答えていただきたい、祈祷課題や望みもあると思います。その計画と願い、望みが、自分の願う時でなく、すべてを造られ、誤ることなく、自分より自分のことをよく知っておられる神さまが定められた、神さまのタイミングで叶えられますようにと祈りつつ、今置かれた「箱舟」の中で、信仰と忍耐をもって待ち望みながら、一日一日を忠実に歩んでいきましょう。